第13話  知歩の計画

『プシュー』

電車のドアが閉まった。

ふぁー、いつもよりも早い5時半に起きたので

少し眠いです。

ですが、今日は念願のデートです。

やっとたどり着けたのですから、

失敗しないようにするです。

この私、知歩の計画に狂いはないです。

翔君のココロを奪うため、

菜歩を演じ、それでいて私の優しいところを見せ、

好きになったところで告白させるのです。

他の女子達には少し悪い気もしますが、

仕方がないのです。

恋のため、といえば納得してくれるはずです。

暗黙のルール

【人気者を好きになったら

 自分から気持ちを伝えず、告白を待つ。】

を、達成するためなのです。

愛々遊園地は、家族愛や恋人同士の愛など

幅広い恋のスポットが沢山あるです。

オマケに恋愛神社もあって、

お守り、恋愛運まで授けてくれるです。

我ながら良いところを見つけたです。

計画はバッチリです。あとは、

完っぺきに今日を終えるだけなのです。

あ、そうそう姉の菜歩の方は

ついて行きたそうにしていたので

少し仕込んでおいたです。

だって、菜歩は目覚まし時計がないと

絶対起きないです。

お陰で私が起きたときはまだぐっすりと

寝ていたです。

ふふふ、あの寝顔可愛かったです。

後で、教えてあげるです。

さぁ、遊園地最寄りの駅についたです。

ここに翔君がいるはずです。

『プシュー』

電車のドアが開いた。

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