第3話  告白

と、これが昨日の出来事。

そして、今日は靴箱の手紙通りに放課後中庭の桜の木の下に来たのだった。なにも考えずに。ただ、呼ばれた〜と軽い気持ちだった。

思い出してみれば、中庭の桜の木の下はこの学校では有名ジングスがあった。

『中庭の桜の木が満開のとき、その下で

 好きな人に告白すれば絶対に結ばれる』

今は4月下旬、だから桜は満開ではないと思っていたけれど今年は遅咲きだったらしい。

見事、キレイに花を満開で咲かせている。

そして、ここにきて翔君に告白されてしまったのだった。

「おはよう」と挨拶をかけてくれるだけの仲だったのに。

今、学年上がったばっかで友達いないから確かに嬉しかったけど。

でも、その度に後ろの席のリコさんから嫌な視線が送られてくるんだよ。

それがなければすごくいいんだけど。

翔君人気者だから仕方ないや。

「妹の好きな人なので付き合えません。」

とはまさか言えず、ただその場で返事に困り、悩みすぎて立ち尽くしてしまった。

その様子を見て翔君は、

「じゃあさ、返事は昼休みでいいから。

 またここだと目立つし人が少なそうな校舎裏で

 待ってるよ。」

「あ、うん」

悩んでいたしそう答えるしかなかった。むしろ、提案してくれた翔君が優しい。

知歩の気持ちが分かった気がした。

私の返事を聞いて翔君は立ち去った。

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