ジーニの独り言

 ジーニは、一人、本棚が並んだ広場に立っていた。

 ふと、長袖の水色の服をめくる。

 そこには、金色のバングルが左右の手首にくっついていた。

 本棚からいくつかの光があふれ、バングルに吸い込まれる。

 バングルに、きらきらと小さな石がいくつか埋め込まれた。


「うーん、まだまだやなぁ……」


 以前、『目に見えないもの図鑑』をわたした女の子。

 その本に自分が『本の魔人』であることを暴かれたときは、一瞬焦った。


「ひどいよなぁ、人が許可してへんのに、ウチの正体、明かすんやもん」


 幸い、本には名前が書かれたのみで、『本の魔人』について詳しい話は出てこなかった。


「もっともっとがんばって、はよう、自分の願い、叶えたいなぁ……」


 ジーニの大きなため息は、広場の中に吸い込まれた。


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