10月11日

 やっと、日記を書く気になれた。


 安西からの話を簡単にまとめるとこうだ。


 俺からの誘いは嬉しく、コンビになれたらとも思った。


 しかし、もう実は既にアマチュアながらコンビを組んで、オーディションを受けた。


 落ちると思っていたが、合格したらしい。


 それがちょうど俺と出会った一週間ほど前。


 そして、遊び半分で受けたオーディションに合格し、番組でも好評だったためか、オファーがいくつか来たらしい。


 引くに引けなくなって、その仕事を引き受けたようだ。


 神様のいたずらにしては、酷すぎないか?


 ここまでお笑いを愛している俺がコンビを組めずに、ピンで活動している。


 遊び半分で出たコンビがテレビに出て、オファーが増えた。


 俺は一つもお笑いの仕事がない。


 安西の顔が真剣で、そして申し訳なさそうだったこともあり、心の中で振り上げた拳は所在なく、自分を殴るしか無かった。


 神様はちゃんと見ている。


 そう、信じるしかない。


 俺も行動をしなければならない。


 安西なんかに負けてられない。


 まずは、相方を探そう。


 相方を見つけて、オーディションを受けまくる。


 ネタは、たんまりある。


 ここから、俺の逆転人生が始まるとは誰も知らない!


 見てろよ。


 俺は漫才で、日本の頂点に立つ。


 なら、まずは漫才できる環境を作らなければ。


 携帯を見ると、たくさん着信が来ている。


 バイト先か何かかな。


 とりあえず、今日はゆっくりして明日からだな。



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