第2章

第10話 うん、そこはパンでお願いしたかった。

 昨日家の用事で部活に来なかった澪は、今日は朝から昨日の家の用事が長引きいない。


 寂しくないよ? うん、ホントに。ただ、ちょっといつもと違って戸惑ってるだけだし。

 ホントだって!!


 そんなわけで高校入って初の澪と一緒じゃない朝登校です。俺が、落ち込んだ気持ちで歩いていると前に人が見えてきた。まぁ、学校近くだしウチの生徒だろう。


 んっ? てか、あれ見覚えあるぞ? あの雰囲気、俺の苦手な気配。


 長く美しい黒髪。俺の天敵レーダーの反応。そうか、泡瀬だ。でも、朝からめんどくさいし話しかけないでおこう。俺は、朝はローテンションなのだ。朝から泡瀬と煽り合うほどの活力はない。


 俺は、心にそう決めると泡瀬にバレないように一定の間隔を空け歩いていく。…なんか、ストーカーぽくなってしまう。これ、通報されないかな? 心配になってきたんだけど?


そうすること3分ほど。


 もう、泡瀬が歩くの遅いし抜かそうかな?

 でも、バレたらめんどくさそうたしなぁ。

 しかし、遅いなぁ。これじゃ早く行って勉強できないじゃん。意外と言われるが短気な俺は限界を迎えていた。


 よし、抜かすか。バレたとしても泡瀬も俺を苦手としてる節あるし話しかけてこないだろ。俺は、そう結論づけると泡瀬の背後に音を立てず近寄り、素早くなるべく顔を隠しながら泡瀬の横をすり抜けて学校へとダッシュを____。


 ガシッ 肩を掴まれた。


「おはよう、鳥田?」

「なんだ!? 泡瀬が普通に挨拶とか今日は大雨通り越してミサイルでも降ってくるのか!?」


 もしかしたら、因縁をつけられるかと思ったが普通に挨拶されるとは…最近の泡瀬はおかしい。いや、しかしそれにしてもおかしい。

 最近の泡瀬は、おかしいが普通に俺に挨拶してくるほどおかしくはなかった。


 それに、いつもの覇気がないようにも感じる。これは…。


「まだ、寝ぼけてるのか?」

「いっしょに学校いこう?」

「やっぱり!! 普通の泡瀬はそんなこと言わない!!」


 やはりか、なんか動きも遅いし目も半開きだし俺への攻撃もないのでおかしいとは思っていたが今ので確定した。


 泡瀬は、朝が、弱い! まぁ、だからと言ってどうということはないが…いつも通りの感じで話してこない泡瀬は何故かやりづらい。

 普段なら、もっと可愛げがありゃいあのにと思うが…実際なると相手しづらい。普段の泡瀬を返してくれ!!


 そんなこと祈っても泡瀬が変わることはない。


「早く行こうよ? 学校?」


 うん、無理だわ。俺、この泡瀬無理。変な気を起こしそうになるもん。泡瀬、静かにしてりゃ普通に美人だし可愛いからこんなモードになられたら悪態つけませんよ。


 いや、でも泡瀬として接するのは無理だな。

 この人は最早別人として接するとしよう。

「泡瀬」ではなく「泡瀬さん」と呼ぶことにしよう。うん? 泡瀬さんが近づいてきたんだが?


「どうしたの? 考えごとなんかして? 早く学校行こうよ?」

「っっ!!// おい!!」


 近づいてきた泡瀬さんは、俺の耳元で囁く。

 恐らく、俺に声が聞こえてないとでも思ったんだろうが…これはかなりの破壊力。なんか、いい匂いもするし。

 普段の泡瀬は俺の天敵だが…泡瀬さんのがよっぽど天敵かもしれん。


 そんなことを俺が考えていると「遅刻する!

 遅刻、遅刻!!」という声が聞こえた。


「えっ、何今の声? 泡瀬さんが言ったの?」

「言ってないよ? 空耳じゃない? まだ、全然遅刻する時間じゃないし」

「だよな。じゃあ、俺の聞き間違いか?」


 そう思った矢先、横の路地から何者かが出てくる。あまりに突然だった為に、反応が出来ない!! 何者かも、それは同じだったらしく慌ててブレーキをかけようとするがかけきれず俺と何者かはぶつかってしまう。


 ドンッ 俺と何者かはお互いに地面に尻をついて倒れる。イテテ、こういうのって地味に痛いのが嫌だよな。まぁ、泡瀬がこいつと激突しなかったのが唯一の救いか。朝の弱ってる泡瀬にこれはキツイだろう。


 俺がそう思い、なんとか目を開けるとそこには…口に米をつけた思わず見惚れてしまうほどの艶やかで美しい銀髪をした少女がいた。


 そして、地面にはおにぎりと思わしきものが…って俺にも米ついちゃってんじゃん!?


 そこは、パンだったら助かったんだがなぁ。

 俺は、そんなことを考えてながらゆっくりと立ち上がると未だ呆然としている銀髪の少女に手を差し出す。


「大丈夫か?」




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 新キャラ登場〜いえーい、ドンドンパフパフ!!🎉


 第2部ではこのキャラがかなり暴れる予定なので活躍を楽しみにしていてください。


 えっ、なんで銀髪かって? そりゃちゃんと訳があるよ。ホント。ホント。ホントだって!! 作者がただただ銀髪が好きなだけじゃないかって?


 そ、そんなことないよ? 好きとかで決めてないし、うん。でも、銀髪っていいよね。(最後まで本音を隠せなかった人)


 す、好きだから銀髪で文句ありますか!? じゃあ、銀髪でオッケーってことで…これ以上の質問は受け付けません!!


 あと、もし良かったら星と応援お願いします。いつも、読んでくださっている皆様のおかげで毎日投稿ができております。とりあえず、銀髪サイコー!!(本音を隠すどころか大放出しちゃった人)







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