第3話 晩夏の花

小さな丸い鉢に花が咲いた


毎日忘れずにお水をあげていた鉢に

花が咲いた


小さな丸い一つの鉢に

枝を伸ばした一本の茎


一輪の花が咲いた

朝夕が涼しくなり始めた頃

貴女は咲いてくれた


一輪の花の向こう側には

二つの蕾が見えた


一本の茎から伸びる枝には

変わらない同じ花が咲く


たった一輪の花は私の宝物

そしてこれから咲くであろう二つの蕾も


その花は私を

私の心を豊かにしてくれる


私を優しく包んでくれるから


誰の為でもなく

私のためだけに咲いてくれた花だと信じていたい


私を笑顔に導いてくれる

小さな白い薔薇

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