叶わない恋

立花 ツカサ

叶わない恋

「こんにちは。お邪魔します。」

「どーぞー」

 テスト明けの日曜日


 全てテストが返ってきた。

「また三位か・・・」

 入学してから越えられない壁

 一位の子のことは諦めている。仲がいいので勉強を教えあっているが、毎回テストですごくいい点を取る。

 二位の人は、勉強よりゲームをやっているイメージしかないのにいつも数点差で負けてしまう。こちらも、対等だと思っていたのに抜いてくるのだ。

 そして今日、またいつも通りそいつの家にいる。


 普通に、そいつの部屋に入ってテストを出す。


 そいつは、私のテストを見てこう言う


「しょぼすぎだろ 笑えてくるわ」


 そんなことを言うくせに私が助けを求めれば

「ここはこの値とこの値を・・・簡単だろ。」

 とすぐに教えてくれる。


 そいつは


 中二ですごく背が伸びて声変わりをした


 髪を伸ばしてセンター分けにした


 中一でモテる女に告ってOKされた


 そのラブレターは私が見つけてしまった



 私は、そんなそいつに恋をしていた。

 でも、叶わない。

 その子は私より何倍も可愛くて、いい子で、真面目だ。

 私が勝てるのは勉強ぐらいだ。

 でも、勉強なんてそいつの判断基準に入っていない。


 でも・・・

 それでも・・・

 近づきたかったのだ



 寝てしまった。


 ぼんやりしていると背中の一部があったかかった。


「お前さ、頑張りすぎなんだよ。こっちは毎回テストのたびに抜かれないかびくびくしてんだよ。こんなことがない限り、お前と話せねーからさ。

 はぁ・・・俺、お前の親友になれるかな。」



「なってるよ」



「えっお前起きてたのかよ。」


 軽く殴られた。


「親友になってくれるか?」

「だから、もうなってるつーの。」



 恋じゃない気持ちでコイツと一緒にいたい。

 親友として。


 叶わない恋なんてやめよう

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叶わない恋 立花 ツカサ @tatibana_tukasa

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