私は人間になりたかった

私は気がついた頃から犯されていた。

父親は私のことをただの性処理道具としか見てなかったらしい。

母親はやっと性処理から解放されたとホッとし、私に父の性処理の全てを押し付けた。

親がつけた夢乃という名前の意味は夢を叶えられるような素敵な人になってほしいという意味らしい。でもそんな夢を私は親に壊され奪われた。


私は中学生になった時父が私にしていた行為がセックスだと知った。そして感動した。父は生物として生を全うしていたのだと。

私は父のように生き物として生きたかった。

でも父は私を道具のように扱い、使う。ただそこに穴があるだけのように、理性を食い殺す。


中学2年生の時、当時先輩だった人に告白された。こんな人と感性のズレた人間のどこが好きなのかわからなかったが彼は私の少し不思議なところが好きだっと言ってくれた。他の人が笑い、からかった性格をだ。


私は嬉しかった。この人は私のことをちゃんと見てくれている。そう思えた。

でも現実は違った。


先輩の家に初めて遊びに行った時だった。先輩は私を襲った。私の服を脱がせると、私の体を先輩の好きなように使われた。

父と同じ目をした先輩を見て、私は道具に成り下がった。


高校に上がってからというもの私は性を求め続けた。その頃にはある程度の一般的知識は持ち合わせていた。地味でオタク的な見た目の人は経験をしたことがないから簡単に出来ると。


もう私は性以外のことで自分を抑えられなくなっていた。生きる理由をそれ以外に見つけられなかった。


私の予測通りオタク達は皆自分だけだと勘違いし、舞い上がり、私との行為を口外することはなかった。


そしてある日次のターゲットを見つけた。駅近くのアニメショップ内に制服でいた彼は最高のカモだと思った。


正直、1度した人ともう1度セックスするのはつまらない。だからコロコロと人を変える。


彼を上手いこと屋上に誘き寄せることには成功した。だけど彼はこれまでのオタクと違った。彼は私とのセックスを断ったのだ。


これまでどんな人でも私が誘えばすぐに大きくさせて襲ってきたのに。彼は私の誘いを断ったのだ。


だから彼なら私に教えてくれるだろう。

人間になるにはどうすればよいかを。


私は彼にメッセージを送る。

『明日浜松駅前に集合ね。カラオケ行こ。』

私はニヤリと笑う。

「ちゃんと耐えれるか試してあげないとね。」

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