エロスはどんな時にでも湧き出るものさ

国木田美帆はホっとしていた。


これで昨日の件はもみ消せた。今度やる時は少し遠い所のホテルにしなきゃ。


私は自転車に乗りながら反省をする。


学校から幼稚園までは自転車で15分程で着く。それでも急がなければすぐに弟たちは寝てしまう。


焦る気持ちでペダルを力強く漕ぐ。



弟たちを無事に引き取り家へと一緒に歩く。

この子達はほんとに元気だなぁ私も負けてられない。


「おねーちゃん今日ご飯なに?」


「うーん、炒飯かな?」


「やった!チャーハン!チャーハン!」


笑顔で喜ぶ弟たちを見ると少しうるっときてしまう。


弟たちを支えるためにも明日は稼ぎに行かなきゃ。


夕日が綺麗に私たちを照らす。

私たちの家はもうすぐだ。



家に着き、弟たちにご飯を食べさせお風呂に入れ、寝かしつける。

元気な弟たちも1日のエネルギーは夜に近づくにつれ無くなっていくものだ。


私はトークアプリを開きパパ活募集のツイートをする。

数秒もすればたくさんのメッセージが送られてくる。


世の中にはこんなにも女子高生とヤリたい人がいるんですね。

需要が多い分いくらでも稼げるということですか。


車を持っていそうな人にメッセージを返し値段を交渉する。


3万5000円は少し高いでしょうか。


返事が返ってくる。


「え、嘘、OKになっちゃった…」


こんなにも簡単にこんな大金…


ゴクリッ


「もう、やめられないよ…」


私の心はもう、汚れてしまったのでしょうか。




土曜の朝は気持ちがいい。次の日が休みなのと、平日のように朝から学校だと思わなくて住むからです。


「今日1日よろしくお願いします。」


「いいのよ。うちの子たちの面倒もたまに見てくれてるし、たまには一人の時間も欲しいわよね。」


弟たちの友達のお母さんに弟たちを預けに来ている。


「いい?ちゃんと言うことは聞くのよ?」


はーい!と元気な声で返事が返ってくる。


「美帆ちゃん今日はもしかして彼氏とデートかしら。」


お母さんの冗談に少しドキッとさせられる。


「そ、そんな相手いませんよ。ただの買い物です。」


「あらあら、美帆ちゃんこんなに美人さんなのにねぇ。」


「いやいや、そんなことないですよ。」


「じゃあ気をつけて行ってらっしゃいね。」


私はお母さんに見送られて約束場所の浜松駅前へと向かった。

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