第17話  暴走モード突入!!

 あたくしは無理やり、屋敷に連れ戻されましたわ。

 お父様は、各方面に手を打って二人を探していました。

 お母様は倒れていましたわ。


 あたくしは部屋に閉じ込められてしまいました。

 だんだん腹が立って来ましたわ。


 エドワゥが、よりにもよってあたくしの妹のミレーユと駆け落ちですって!?

 あたくしを差し置いて!!!

 エドワゥは完全に、あたくしを騙して連れ出して、昼のうちに屋敷を出たミレーユと合流したのですわ!!


 どうしてくれましょう……

 このあたくしを利用するなんて……


「ジェーン!!」


 あたくしは侍女のジェーンを呼びましたわ。


「何でございましょうか!?お嬢様」


「刺客を雇いなさい。五人……いえ、10人よ。ですわ!!」


 ジェーンは、あたくしの言った言葉の意味が理解できなかったらしくて、聞き返してきました。


「あの!?お嬢様?しかくって?」


「殺し屋のことに決まってるでしょう」


「ヴィトレーク家のお嬢様と伯爵家に雇われた絵師ですよ。殺さなくても……」


「あまい!!あまいですわ!!ジェーン!!このあたくしを利用して、駆け落ちの片棒を担がせたのですわよ!!

 あたくしはエドワゥの心を信じていましたのに!!」


 あたくしは、叫んでる時でも怒りが込み上げてきました。

 怒りで、身体がブルブルと震えてきましたわ。


 ジェーンはあたくしの怒りに少し恐れていましたが、一生懸命笑顔を作って言いましたわ。


「でも……愛し合った二人が手を取って、逃避行なんてロマンティックですよ」


「だ・か・ら!!なぜ、ミレーユとエドワゥがそんな仲になるというのです!?

 ミレーユはついこの間まで、銀の森の神殿にいましたのよ?エドワゥとの接点がありませんわよ」


 あたくしが鼻息荒く言いますと、ジェーンが言いました。


「ミレーユ様、言ってましたよ……」


 ジェーンは小さな声で言いましたわ。


「え!?」


「運命の相手と出会ってしまった。会う順番を間違えてしまった……そうです」


「運命の人!それがエドワゥなの?」


 ジェーンはうんうんと、頷きました。


「お互い、一目惚れだそうですよ」


 あたくしはピキンと、こめかみに血管が浮くのを感じましたわ。


「ジェーン、刺客は20人ですわ」


 あたくしは、低い声で言いましたわ。


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