第3話

 ザアーー、ザアーー、ザアーー……。


 今日は大雨で暗闇が全てを覆っていた。

 傘からも水滴が滝のように落ちる真夏。


 死んだ良い影のささやかな葬式をして、集まってくれた親戚や縁者からも俺は慰められた。確か良い影は小剣を持つ美しい女性の形をした影だった。


 悪い影の方は大蛇を首に巻きつけた大男だったと思う。

 17歳になったばかりのことだ。

 

 突然、真夜中に家全体に若い女性の悲鳴がし鳴り響き。


 俺は異変の中。家中隅々まで原因を探し回るため走っていた。ふと、悪い影が俺に話しかけてきた。


 もう、お前を守るものは誰もいない。良い影は今死んだ。さあ、いつまで持つのやら……お前の命は……。


 おじいちゃんもおばあちゃんも、もういない。どこかの山にある影斬りの刃を探さないといけない。けれども、どこにあるのか……?


 それと、おじいちゃんはこうも言っていた。


「影は魂そのものなんだなあ。だから影が死ぬと自分も死んでしまうんさ。それを防ぐために影斬りの刃が昔からあるだよ」


 俺はそんな悪い影から身を守ることができるのだろうか……?


学校帰りに突然影に襲われた。


 さあ、これから始まるぞ! 本格的な殺し合いが! 


 影は野太い声でそう叫ぶと、俺の鞄の中にあるボールペンとシャーペンを抜き取った。


 俺は間一髪で、それぞれの先端部分を回避する。


「うわ!!」


 首筋がヒリヒリとしていた。

 片手を当てると、手が真っ赤になっていた。


 俺はおもわずカッときて、影目掛けて横蹴りを繰り出した。

 グキッと音が鳴って、影が九の字に曲がった。


「オラーー!!」

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