裸身合身ロボ戦士【カナアクロン】~カナの破廉恥な闘いは続く~

第11話・UFOに乗ってやって来た『トッチギ星人』

 深夜に光る餃子型UFOが、フラフラと町の上空を飛行して、何かを落としたニュースが流れた次の日。


 女子高校生の『阪名 華奈サカナ カナ』は、桜の花の下でレジャーシートを敷いて、一人花見をしていた。

 春風に吹かれて舞い落ちてくる桜の花びらを眺めながら。

 串刺しされた団子を食べる華奈は、平和な日常を満喫していた。

「やっぱり、平和が1番よね……さてと、コンビニで買ってきた、お弁当も食べたし桜の花見も終わったから帰るとしますか」

 レジャーシートをたたみ、エコバッグに食べ終わったゴミを入れて歩きはじめた華奈は、桜の樹の根元に落ちているオモチャを発見した。

 拾ってみると、それはクリヤーなボディーをした。リ◯ちゃん人形のようなオモチャだった。

 女性型のクリヤーボディ人形に装着されている、ビキニアーマー的な防具や、肩当て腰当ての防具もクリヤーで透き通っていて。

 人形の内部には歯車やピストンや機械の金属ギミックが見えた。

 そして、関節可動人形の一番の奇妙な特徴は、首が無かったコトだった。

「なにこの変な首無し人形? 遊ぶのは男の子? 女の子?」


 華奈が拾った人形を眺めていると、体に密着した青銀色のボディスーツのような服を着て、頭に星型の触角カチューシャをした少女が何かを探しているような様子で、地面をキョロキョロ見ながら華奈の方に歩いてくるのが見えた。

 少女の歩きながら、なにやら呟いている声が聞こえてきた。

「変だレレ、この辺りに落ちたはずだレレ……どこに落ちたレレ」


 下を向いたまま歩いてきた、少女は立っていた華奈にぶつかり、尻モチをついた。

「いたぁ、何かにぶつかったレレ? いったい何に?」

 少女が片側だけメガネのようなモノを掛けて華奈を見る。

 華奈を見ている少女の。片側メガネに数値着が映った。

「うわぁ、未開惑星の猿人だったレレ! えっ? 露出変態パワー数値がどんどん上昇していくレレ、一万……五万……十万……バカなレレ、こんな未開文明レベルのサルしかいない惑星に計測不能の露出変態がいるなんてレレ……まさかのレレレレのレー」


 片側メガネ型の測定機器が爆発して、レレ少女は両目を押さえる。

「目が……目がぁ……レレレレのレー」

 目をこすりながら、少女は華奈に質問してきた。

「そこの、おサルさんに聞くレレ……翻訳された言語は理解できるレレ?」

「ちゃんと伝わっているわよ、あなた誰?」

「おぉ、サルと会話できたレレ……あたしは、遠い星からやって来た【トッチギ星人】の『レレ』だレレ」

「失礼な宇宙人ね、なにか探しているみたいだったけれど」


「宇宙船から落としてしまった『アクロン人形』を探していたレレ」

「アクロン人形?」

「ボディがクリヤーパーツでメカが内蔵されている首無し人形だレレ……そう、目の前のサルが持っているような……ぃ゙っ! それだレレ! なんで未開惑星のサルが持っているレレ、こっちに渡すレレ」

 レレは、ひったくるように、華奈が持っていた首無し人形を奪い取った。

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