三途

頬を伝う涙が見えようか

これは呪いだ

あるいは夥しい血の跡だ

他人のように己を見切り

己のように他人を助く

この屈折した営みを

呪いと言わず何とする


月は母を孕み

星は子を川に流す

六文銭の渡銭

卒塔婆を崩す稚児の声

ひとの為に行き着く先は

己の望む終わりになるか

ひとに尽くす心根は

己の望むことなのか

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る