慢性疼痛の生活への影響

 2、3年前、あまりにも顎が痛いせいで普通に生活を送ることすらできなくなっていた。


 慢性疼痛系の病気を患った方しか分からないと思うが、痛みがひどいと何をやろうにも何にも集中できなくなる。

 分かりやすく説明するなら、身体のどこかを常につねられているような状態で本を読んだりゲームをしたりできるだろうか?

 痛みだけで死にはしないだろうが、それでも間違いなく生活の質は下がるだろう。


 今でも覚えているが、学校で授業を受けているときに課題で作文をしたのだが、あまりにも痛みがひどすぎるせいで全ての文を敬体で統一できず(2、3行の短い文章を書ききるほどの集中力もなかった)、「私は~をしました。これは~である」のように書いてしまって先生から「どうしてそんなことを間違えたの?」と言われてしまったことがある。


 まるでADHDのような集中力の低下が目立ちはじめ、やがて何かをやろうとしても()途中でやめて別のことを始めてしまうようなことが増えた。


例 部屋にある服を片付けようとしたが、途中で目に入った本を図書館に返そうと思って本を探し始めたら、バイクの鍵がないことに気づいてそれを探し始め、結局最初に自分が何をしようとしたか忘れてしまう、というような感じ。


 あの頃は明日の計画も立てられなくなり、朝起きてから寝るまでひたすら痛みに耐えて寝るだけの日々だった。

 痛みに溺れる、というのか、まるでずっと溺れそうになってやっとのことで水面に口を出しているような、そういう苦しい状態が続いた。


 しかしそれでも周囲は私の異変に気づかず、私が見るからに何もしなくなるのを自分の意思でそうしていると思い込んでいたらしい。

 この辺でもかなり苦しんだが、まあ私本人でなければそこまで深刻だということには気づきようもないので仕方ない。

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