第22話 『一蓮托生』の裏話 その10 カスリーン台風、天気の話

 今回は当初から『一蓮托生』で描きたかったカスリーン台風の話だ。

 カスリーン台風で横澤家のバラックが壊されるシーンを描こうと思っていたのだが、カスリーン台風は雨台風で、暴風で横澤家が壊されるのはそぐわないことが分かり、カイとリュウが八馬の言いつけでバラックを壊すこととなった。


 本編でも描写したが、カスリーン台風は台風後に起こった大規模な洪水で歴史に残る惨事を引き起こした。幸い横澤家周辺は洪水の被害を受けなかったが、隆の職場が被害地域にあることにして、横澤家の修復に携わる時間を作ることにした。

 実際の洪水の状況については、こちらの論文を参考にした。


第1章 カスリーン台風と利根川流域

https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1947_kathleen_typhoon/pdf/5_chap1.pdf


 『一蓮托生』では、途中から当時の天気も参考にしながら執筆していた。参考にしたのは気象庁のデータベースだ。


 気象庁|過去の気象データ検索

https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php?prec_no=45&block_no=47682


 1947年の東京の天気を調べることで、その日のかつら達の服装や傘の有無に反映させることが出来、私も当時の生活が身近に感じられるようになった。


 また、当時の休日は現在の祝日とは違っており、執筆時にはカレンダーにも気を配った。現在の「国民の祝日に関する法律」が施行されたのは1948年7月20日である。


祝祭日

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9D%E7%A5%AD%E6%97%A5

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