〜俺の恋を終わらせていくだけの話〜

4アは愛のⅨるしみを知る、それは13なんてきっと無い、19だけだから

 俺の部屋に、俺とシアとタツさんの3人…シアがタツさんを追い出していた…


「はぁ?分かったよ、じゃあ外で待ってる。結果を報告しろよ?アドバイスしたんだからな…後、約束…」


「アドバイスって…振られても待つか、すがりつくの2択だったじゃないですか…私は太郎に会うのにちゃんとしたかったのに、結局下にこの変な服は着せられるし…約束なんてしてませんし…」


 よく見るとノースリーブのワンピースの下に、前に着ていた何か赤い変なタイツ?みたいなの着てる…


「はぁ!?何だお前その態度!?オレはな!…」「すいませんっ!何でもない、何でもないです!外で!ほら外で!後で報告しますから!」


 グイグイ押してベランダに追いやった…プンプンしながら鷹のような目で腕を組みベランダから見ているが、まぁ…


「太郎…ベランダのは置物だと思って…私の話を聞いてほしいの…良い…かな?」


 俺は先にどうしても伝えたかった事を言う、頭を下げながら。


「あ、先に俺からまず一つだけ…ずっと言いたかったんだ。謝りたかった。あの時の事…ゴメンな…今となっては弱くて、ただ怖くて逃げただけで…シアの気持ちも考えずに…本当にゴメン…俺、色々分かってきて…少しだけど色んな経験して、シアの事を考えるとやっぱり、あの時の「それは謝らないでッ!それは駄目!」


 急にシアが声を荒げる…シア…涙が…


「それをタロァが謝ったら…私は駄目になる…あの時…気付かなかったのは私なの…勘違いしてたのは…私なんだよぉ…だから…謝っちゃだめだよぉ…」


 急に弱々しく、子供のように訴えるシア…何でだよ…


「方法はいくらでもあったの…少しでも考えればいくらでも…そして私には選択する力があった…なのに私が勝手にタロァを取るか、家族を取るか、それしかないと決めつけて…自分の中で天秤にかけて…どっちも手に入れようして、どっちも失って…もっと考えてれば…もっと…もっとぉ…フグゥ…ウゥ…ウッウ…」


 鼻水を垂らして泣き出した…何だか…昔のシアが…


「私ね、言う通りやってれば終わる…活躍すれば終わる…人気者になれば終わる…望まれる事をすれば終わる…終わればいつか戻れる…先を見ないで…考えないで…結局言われた事信じて…流されててやった結果…全部勘違い…騙されて週刊誌に取られて…ファンや慕ってくれる人にはあんな態度取って…親しい人を不幸にして悲しみを撒き散らして…夢で見たの…タロァがアレを見てとても悲しんでいて…その前からタロァの事も考えずに付き合え!好きだから付き合えって一方的に…」


 シアが泣くと…俺も涙が…でもお前は…


「違うよシアッ!それは違う!分かったんだ…何で俺はあんな事したのか…結論を出すのが怖かった…シアの気持ちに向き合うのが怖かった…なのにシアに男ができたら罵って…俺が決めるべきだったんだ…今も恋とやらが分からない…俺の気持ちは……『男なんて出来てないっ!私はッ…!』


「た、タロァ…待って!男なんて出来てないっ!私はいつだってッ…!私!私ね!今の私!今の私が…汚れてしまっているけど!タロァの事!た、タロァの事がす、す、す、す…」


 ガラッガララララララララララッッッ!!!


「話が進まないなぁっ!本当にお前らはよぉっ!恋愛小学生か!?不肖の弟子、シャー!約束を守ってもらうぞ!」


 ツカツカと突然、室内に入ってきたタツさん。「ちょっ!」と言いながら、素早くタツさんを押し出そうとするシア…そのシアに…


「今、大事な所だから本当に邪魔し『パンッ!』なっ!?はグゥ!本当に…入れやがっ『パンッ』…くぅッ!?本気で言ってたの!?…この…」


 突然シアの尻を2回程パンッ!パンッ!と叩いた…ケツ叩き?ただ、別に大した強さじゃないのにシアがやたらクネついてる…まさか…


「グズグズ!タイム・イズ・NTR!NTRとは時との勝負也!付き合う、NTR、ざまぁ、景色の綺麗な病院!起承転結!お前等遅いんだよ、いつも俺が私が私が俺が!つまりオレの嫌いな耐久!もう耐久はうんざり!耐久はやめろ馬鹿!短文にしろよ!同じ事したらまた来る!」


 ガラララララッ!ピシャンッ!


 スタスタとベランダに向かい、またドアを締めて腕組みながら仁王立ちしているタツさん…

 どうでも良いけど景色は綺麗じゃなくても良いんじゃないかな…


「くぁ…コレ、ホントに…一個目…中で溶けて…2個目…蓋…くぅあッ♥駄目!ここ大事な所だから!タロァとの大事なはぁ!♥」


 大事な所って何が…いや、違う!話を進めなければ!シアの気持ちを聞いて!俺はそれを…


「シア…私は…の後、なんて言おうとしたの?」


 「そう!♥わらひは!♥ハァハァ…タロァ♥しゅきなの!♥ちらう!♥なんれぇぇ!?♥」


 内股でモジモジしながら頭を抱えている…

 何だこの展開…どうすれば良い!?


「タロァ!♥わらひは!♥まだしゅき!♥じゅっとぉ!♥しゅきぃ!♥タロァお!♥ふりゅむかしぇるまで!♥あきらめにゃ…ハァッハッハッハッ♥だみぇ!♥こんにゃのだゃみぇ!♥」


 俺は夢を見ているのか?成長した、まるで妖精のような、あのシアが…


 トロンと淫靡な目になり舌を出し涎を垂らしながら破顔し、お洒落な今風なワンピースの後ろファスナーを開け所々が網タイツ状になっているピンクの全身タイツ姿のシアがまろびでてきた。

 必死にタイツを引っ張ってはクネクネしている…


 「脱いじゃめぇ!♥でもタイチュ脱げにゃいぃ!♥にゃんでぇ!♥にゅげてよぉ!♥脱いじゃダメェ!」

 

 片手は頭を抑え、片手は下腹部を抑えながら何かを必死に堪えている…クネクネモジモジしながら…

 下腹部の手が股の方に寄った瞬間、頭を抑えていた手で手首を掴み、そのまま手をつねった。


「イダッ!イダダっ!!しっかりしろ!♥違うのタロァ!私は!諦めないからってぇえ♥だけどぉ♥おさにゃにやじみにょぉほ?♥」


 気付くとシアの顔が数センチの距離まで来ていた。

 ハァーっ♥ハァーっ♥っと激しい吐息を顔面に吹きかけながら涙目で見つめてくる。

 片腕を俺の肩から首の後ろ、包むように回し、もう片方は俺のうち太腿を掴む…ちょ?


「だっだいじょぶ♥…負けないから!♥我慢ッ!♥するきやぁら!♥まてるからぁ!♥」


 何がだ?何から何を?我慢?と、とりあえず伝えよう…


「し、シア…俺はシアとは付き合えないんだ!まず、サラとの事を考えるだけで精一杯なんだ!」


 真正面、数センチ前にある美しい造形が歪んだ顔に向かって伝えた…


「ええぇ!?♥なんでぇッ!?♥ちぎゃう!わかってたのおぉぉ!!♥わかってるけでょぉ!♥」


 するとシアは涙を流し始めたが、アへ顔過ぎて嬉し泣きしてるみたいになっている…


「だからぁ!♥我慢するってっ!♥待ってるのぉぉ!♥しゅきぃ!♥しゅきぃだぁからぁ!♥」


「待つのか…こんな俺を…お…おぉ?」


 シアが更に接近して身体を上下に揺らし始めた…なんだ?何が始まるんだ!?


「んほおおおおおおおおおおおおおおおう!?♥んおほんおほほん!?タラァァァアっっ!♥あああおっ!あおっいえぁっ!♥タロァアアアアっっ!!♥イエアアアアアっ!♥」


 眼の前で凄まじい勢いで力む歪んだ顔になり最早、妖精ではない、淫精というか、そんな訳の分からない事を考えてしまうぐらい声がデカい…今日は母さんは居ないけどメグミがいると思うし隣の蘭子もいるし気付くだろ…


 ガラララララ…


「凄まじいな…普通の人間が精神力でどうこうしようとしたらこうなるのか…オレも流石に見てられないというか…後、なんでぇって言いすぎだろ…しかも外国人顔だから洋物感が凄いな…多分『嫌だ』って言ってるけど『イエス』ってでっかい声で言ってるみたいだな…流石、我が弟子…」


 突然入ってくるタツさん…ちょっと疑問が…


「た、タツさん…薬を撲滅するって言ってるのに薬使うのはどうなんですか…」


「人聞き悪いこと言うな、これはドラッグではない、名を百倍カンチョロ『絶対絶頂絶望賢者』という略してトリプル絶(ズィー)シリーズだ。百倍の感度の後、百倍の賢者モード(後悔)が襲う。常習性どころか二度と使いたくないと思う、いわば拷問薬だ。女体化したウルㇳ○マンが性癖の旦那を持った女が、その性癖をやめさせ自分に向けさせる為に作った執念の浣腸だ、結局無くなるどころか自分にすら向かなくなったらしいけどな(笑)」


 いや、『浣腸だ』って言われても薬じゃないっすかね?


 そんな馬鹿みたいな会話をしていると目の前のシアがいよいよと言わんばかりに凄まじいステップ?まるでタップダンサーの様にガタガタガタガタガタガタっと高速で足をガクつかせた。


「タアアラァァッ!♥イエアアアアアッッ!♥タアアアア『グキッッ』アアアア!?イタアラッ!♥ハァーっ♥ハァハァハァハァ…足首が痛いけど…我慢したよ…タロァッ…」


 何が我慢何だか全然分からない。


「シャーよ、見事なJ・Bステップだった。まるで曲が聞こえてくるような…よく耐久したな…」


「ハァハァハァ♥それと!見てるんでしょ!?メグミ!我慢したよ!私は!メグミの気持ちっ!少しでも理解出来たかな…でも!メグミも!もっと我慢しなきゃ!駄目なんだよ!人間だから!ここはサバンナじゃな『パンッ』ヒアアアアア!?♥」 


 メグミ?…シアがそう言うと押入れからガタッと

音がした。


「また長い意味不明な話をしようとした。しかしそうだなぁ…出歯亀女にも同じ目にあってもらうか…」


 タツさんがそう言うと…フッと消えた。その直後、隣の家から…蘭子の悲鳴が聞こえた。


「うわあああ!出刃亀違います!確かに見てましたけど!あんな大きな声で!それと私はメグミは私じゃありません!私は蘭子!隣の!太郎とはもう!違っ!『パンッ』ギャアアアア!『パンッ』ヒアアアアア!♥鬼頭しゃんっ♥はやぁく鬼頭しゃんっところにぃっ!♥」

 

「アレ?違うっぽいな…家じゃなくて部屋か…」


 え?何か蘭子が巻き添えを…


「お前がメグミか…ヤバいなぁ…この家は変態ハウスだな…兄妹だろ?お前等…ヤバいなぁ…」


 なんか今度は隣のメグミの部屋から声が…


「ヒィィ!見ないで!来ないで下さいっ!シアさんの気持ちは分かりましたから!だからわた『パンッ』ゔぁあぁぁ!『パンッ』あひいいいいいい♥鬼ぃ!♥おにいちゃららっ!♥たしゅけてぃぇ!♥」


 バゴォーンッ!


 今度は押入れの薄壁を突き破ってメグミが飛び出して来た…もういよいよ何が何だが分からなくなってきた…


「わらしはぁ!♥みぇぐみぃはぎゃみゃんできないぃ!♥してぇたきゃらぁ!♥しゅるぅ!♥ありぇしゅるぅ!♥おにちゃあっ!♥んはぁ♥んはぁ♥」


 メグミはシアが密着している俺に這いずる様に向かってきた…しかしその姿が…どういうことだ!?

 俺の今日脱いだ服を着ていて…その上から俺の縄跳び!?で身体を縛りボクサーパンツの所から何か飛び出てる…何となくは察していたがこれは…


「メグミ!落ち着け!説明を…しなくていいからとにかく落ち着けっ!れ、冷静に!」


「だめぇえええ!♥たろぁはぁッ!♥イエアアアアアっ!♥みんにゃのとろぁぁにゃのん!♥えらぶのはタロァアアアアッ!♥アッ!?♥」

 

 シアが何か喋った様だがよくわからん。

 そしてメグミに飛びかかり、二人は絡み合って転んだ…色んな意味で当たりどころか悪かったのか…


「「ヒィアアアアア♥アヘェアヘェ!♥ヤラァァァ!!♥イギイイイイイイイィィッ!♥」」


 俺の部屋が色んな体液で水浸しになり…二人は崩壊した。


「キジマアアア!♥アアッァァッキテェァァァァッッッ!!♥」


 隣の家でも蘭子が崩壊したようだ。


 成長したつもりだった…色んな事が出来る様に、上手く立ち回れる様に考えると決めたが…何一つ出来ず進んでいった…


「あれ?おかしいな?なんだコレ?ウ~ン、着地…着地…」


 タツさんが唸っているが…この人もまさか何も考えていないのか?


「そう…あ!そうだ…タロァマンッ!お前を試したんだ!結局お前が選ばないからこうなる!分かるか!?耐久というのは…時としてこういう煉獄を生む…うーん、深い…」


 え?何それ…全部俺のせい?


「いやいや、いくらなんでもそりゃ無茶なフリだべさ、タツ姐さんさ…太郎君さ、こまっているだよ…こんな無茶苦茶、メグミ監視してたらなぜこんなことに…」


 メグミが飛び出して来た押入れの穴、メグミの部屋からヌッとローブの様な長さのパーカーを着てフードを被ったウェーブのかかった黒髪の女の人が入って来た。

 この人もよく見る人だ…綺麗な人なんだろうけど…ドラッグとは違う、明らかに寝不足の隈と虫が這ってるし、メンヘラ感が凄い人…


「ほら、ヒロさんはもう任せるって言ったけんども?ワラシに判定しろいうてたからね、こりゃいかんですよ?ワラシならと思って任されてるんだから…」 


「失せろ暗転、オレはお前が苦手なんじゃない、お前の周りにはいる虫が無理。その態度はつまり修業を付けてほしいと、つまりはな…」

「いやいや姐さん、そんな話じゃなくてでね、ワラ…ん?」


 瞬間、暗転さんにタツさんが何かしようとした。

 流石にこれ以上…何もできないのは嫌だと思った俺はすかさず二人の間に入る…が、何かしようとしていたタツさんの手が俺を押した。


 と、同時にバランスを崩し、パーカーのポッケに手を突っ込んだままの暗転さんに覆いかぶさる様に倒れ込んだ…暗転さんは素早く手を出そうとしたが間に合わず一緒に倒れ込んだが…


「お?タロァマン…」「あ!?」「んん!?た、太郎君?」


 何故だ…倒れ込んだ拍子に何がどうなってこうなるのか分からないがキスをしていた。

 正面から唇を合わせた状態で見る暗転さんの目は死んでるような濁った目だが…突如鼻からみみずが、耳からヤスデが飛び出した!?


「うおあおッこえぇ!?じゃなくてスイマセン!すぐどきます!」


 ムニイ


 立ち上がろうとすると、俺の手には…巨大なスライムを掴んでいた…よく見るとパーカーが胸の上までめくり上がっており、黒いショーツにブラは無し、所々にキズはあるがEはあろうかという双丘巨体スライムの割に引き締まった細い体がカクカクっと動き、同時に虫がワサワサっと…


「ウヒヒィ♥ワラシみてぇなやつに欲情してんのけ?汚え身体ろ?これでも闘ってきたからなぁ(笑)」


「あ、いえ!凄い綺麗な身体です!じゃなくて!すいませんすいませんすいません…」


 急いで逃げるが…ちょっとモジモジしてる暗転さん…


「ヌフゥ♥獅子川ババァのごど…バガにできねぇな…ええな、若いツバメは…」


「タロァマン…お前、節操無さすぎだろ…」


「違います!違います!」


 何でこんな事に…と、パニックになっていると女二人、シアとメグミがこっちを見ていた…


「「な、なんでぇっ!?!?」」


 二人の声が合わさったけど、それは俺が言いたい。何で?と。

 


 

 


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