シア/私だってタロァと…その為に頑張る…だけどこういうのはちょっと違うかと。

 海に覗きに行った日の前日…つまり恋愛師範Tと邂逅した日の夜。

 突然、Tはタロァに会いに行くと言い出した…


「でも…タロァも望んでいないと思うし…妹と幸せになりそうなんです…それに私は汚れて…ちょっと何してるんですかッ!?やめ!やめてください!」


 気付くとTが私の部屋着を脱がし変な赤色テカテカの着圧タイツみたいなものを足から履かせようとしている!?


「お前、そのモードに入るの好きだよな…自分の世界モード。オレの幼馴染に似てるよ。実際問題、汚れているのはネット広告の女のアソコだけ。まぁオレはその幼馴染から、余裕で今の旦那NTRしたし、アソコの臭いは便所の臭いじゃないからな…フッ(微笑)そんな少女漫画みたいなの、大体の男は望んじゃいないから。とりあえず、まぁまぁまぁ…」


 全然何言ってるのか分からない話をしながらタイツ型の変な忍者っぽい服を着させられ足首までのスニーカーとグローブを付けられた私…


「お前、名前なんだっけ?柴犬みたいな名前だよな?」


「今更ですか!?シアッ!図浦シアです!」


「シアずら?何いってんだ?田舎モンかお前?まぁ良い、とりあえず着たな。じゃあ最後の装備はこれだ。」


『ガチャッ』    え?


「良し、鍵かけた。外して欲しければついてこい」


 今、私が付けられた物…ボール型の猿轡…その上から無数の穴が空いた息のできるエナメル調のマスク、硬めの素材で後ろに鍵が付いているようだ。

 そして私のタイツとマスクに鍵をかけ、外に出ていった…てゆーか待ってよ!?

 Tは2階の私の部屋、窓から平然と鍵を持って外に飛び出した…鍵を持ってかれたら私の生活は!?


「ムゴゴゴっ!ムゴ!ンゴ!ン!?」


 取ろうとしてもやはり取れない…急いで追いかける。Tは私に一体何を…ギリギリ追いつけない距離で先行しながらTが煽る…


「お前の身体…せっかく強いのに泣いてるぜ?メンタルクソ雑魚だって!?情けねぇなぁ…ほら、付いてこいよ?出来るだろう?」


 優雅に2階から飛び降りそこからタロァの家まで家々やビルの屋根をショートカットするかのように跳ね回りながら去っていく…


 馬鹿にするな!

 私だってこれでも高校記録があるぐらいの身体能力だ。

 家の屋根を飛びながら追いかける…


「そうだ!目的のためにはどんな方法でも諦めるな!後ろではない!前に向かって考えろ雑魚が!諦めなければ勝ち筋が見えてくッ?ア!?」


 スッ…プアアアアアア!キキィィィィィィッッッ!ダダアァァンッ!!


 え!?急に戸建てやマンションを間を飛び回っていたTが視界から消えた!

 と思って、消えた場所まで行くと国道近くのマンションから足を踏み外したようで、国道近くに落ちて走行中のトラックにTが轢かれて弾け飛んだ!?


「うおいっ!ひ、人が降ってきた!?だ、大丈夫か?」

 

 私の頭の中に巡るこの状況の打開策…

 まず、私は有り得ない変態的な格好…このスーツやマスクを脱ぐ鍵はTが持っていた…マスクにボールの付いた猿轡を付けてある為、喋れない。

 近くにいる不審者=犯人…


 私はTが轢かれたであろう場所を見ながら絶望した…明日、新聞の三面にでも載るだろう…私が…一体何をしたとい…


「おう、おっちゃん!そのトラック中古か?新車だと保険がやべぇんだよ!元からボコボコか?」


「うおぁ!?アンタ大丈夫なのか!?」


「大丈夫だよ、それより事故ってないんだろ?内緒にしといてくれよ…バレるとヤバいんだ…」


「い、いや、アンタが良いなら別に…」


 いや、これは事故ではないのか…?違う!何で車に轢かれたのにTは普通にしてるの!?

 そのまま普通に歩きながらタロァの家に向かうT。


「クソッ…足を踏む外すなんて恥ずかしい事をしてしまった…説得力が無くなってしまったじゃないか…」


 違う、問題はそこじゃない…と思いながら変態的な格好でタロァの家の前に着いてしまった…


 タロァの家…久しぶりのタロァ…会いたかった…大好きなタロァ…でも私は変わってしまった…昔の様に話せないよ…それに汚れてしまった…でも…今、会ってしまったらタロァに…私は俯きながら拳を握り涙を…


 ガチャチャ!ガラララララララァァァ!!!


「おい!ウルトラタロァマン太郎!?お前、ムツムツくだらねぇこと考えやがってるな?オレがクンロクしてやるから…ハッ!?」


 そこには下半身裸でパソコンにエッチな動画を流しながら、Tから後から聞いた話では『ペニシュッシュッ』しているタロァがいた。


「うあぁァァァっっ!?何ですか!?貴女誰ですか!?」


 焦るタロァ…必死に隠そうとするが隠せない男…しかし私は…ちょっと興奮してしまっていた…情けない…


「フッ…そ、そんな中ボスペンニスでオレを魅了出来るとでも!?タツじゃない対魔忍だったらどうなってか分からんがな!?この恋愛マスターベ○ションのタツじゃない対魔忍にはきかんわ!シャー!おい、シャー!言ってやれ!」


 この人も混乱しているのか、何を言ってるのかさっぱり分からない…とりあえず名前がタツ?というのは分かった。


「シャー!聞いてんのか!?シャーッ!」


 猫のマネでもしてるのかと思ったが、私の方を向いてシャーといって言っている…シャーって私?

 そんな事はどうでも良い…事後のタロァと目があった…会いたかった人の瞳。

 この人の前ではシアラなんていない。一個人の図浦シアだと言う事を再確認した。

 だってこんな格好してるけど…目と髪しか分からなくても彼は…


「シア?…シア…なのか…?」

「モゴガッ!モゴーっ!」


 私が愛しさのあまり、昔のように飛びつこうとした所でTに押さえつけられた。


「タロァマンコタ君、不正解。それ、イキったモデル女だろ?この女はそれじゃない。尻の穴に特急列車が行き来する女教師風の対魔忍風の女、エロく赤く、3倍までなら拡張可能なシャーだ。分かるかな?」


 分かる訳無い、早くこの人を引き離してタロァに…助けてっ!タロァァァァ!!


「モゴゴガッ!?ムゴーッ!!!?」


Tを押しのけようとしたら、極自然な動きで手首を掴まれてそのまま両手首を後ろに回され手錠をかけられた…そして…浣腸してる!?何で!?何がしたいのっ!?もう何が何だか分からない…

 なぜこの人はタロァと私の邪魔を…


「わ、分かりませんし…貴女は?」


「厶!?正体を探ろうとするセ○ズリマンタロァ…世の中には知って良い事と悪い事がある。私の事は知らないほうが身のためだ。私の事などどうでも良い…それよりこの赤い対魔忍風の女、ほら、金髪でツインテールにすると房中術のアイツだ、どうだ?」


 どうだって言われても…何が?


「わかんねーやつだなぁ」


 私の手を縛った状態にも関わらず、後ろから両膝裏を持ち…私のタロァの眼前でお股をおっぴろげ状態にされた…もう…死にたい…


「ほら、房中術だ。どうだ?変な姉妹や良く分からんモブ女何かどうでも良くなっただ…『ビリッ』あ?」


 最近覚えた言葉なのか小学生のように房中術を連呼するT…っていうか待って!?ビリって…スースーするっていうか…丸出し!?私、丸出し!?


「あ、やべ…いや、これも房中術?防虫?…」

「し、シア!?あ、見えてる…」

「モゴッ!?モモッ!モモモ!!」


 三者三様、パニックになる…ぐらいならしないでもらえますかねぇ!?Tさん!?

 そして!さらなる悲劇が私を襲った…


 グー、キュルるるるるるる〜


 か、かか、浣腸!私浣腸されてるの!

 Tは目が据わった状態で何やらブツブツ言ってるし、タロァは固まってる…というかタロァの眼前だ!駄目、絶対に駄目!

 …と、思えば思う程強くなる排泄感…顎が上がる…変な汗が止まらない…肛門の力が抜けていく…死ぬ…私…死ぬ…もう…だ…


「ま、まぁ…し、シアのは昔見た事あるし、ウンコ投げられた事も『ブブブババァァァビチチチチ』ウオあ!?」


 盛大にタロァの顔面にぶっかけた。まさにうどん屋のぶっかけうどんの勢いで私のクソがぶっかかるタロァ…『ぐぁあ』と呻くタロァ…座っているので避けられないタロァ…

 

 私は…以前動物の愛情表現でゴリラはウンコを投げる事を知り、タロァに投げつけた事がある。

 当時は何も考えて無かったし、知らない事ばかりで何をやっていたのかも分かっていなかった。

 学校には馴染む気は無かったがモデルや女優気取りの生活で気づいてしまった。

 人間…いや、大人になってしまったのだ…

 私のやっていた事は『非常識』だと言う事を。


 タロァは良くやめろって言ってたな…ウフフ…


 私が一滴の涙を流すと共に脳が壊れ始めた時に、タロァが急に笑い始めた。

 

「ハハハ!シア…懐かしいな…シアだ…アハハ!」


「な、懐かしいね…タロァ…ウフフ…」


 実際は私達の美しい思い出(というものかどうかは別として)を思い出しながら、落ちるところまで落ちたと思うが、何だか嬉しく思った。


「何だコイツら…オレを置いて異世界転生したのか?私以外、狂った奴しかいないな…展開が見えない、参ったな…ウーン…コ…ウーン…」


 アンタもだよ…とツッコミつつ、最早どうにでもなれと思っていると突然、後ろ…Tの隣から別人の声がした。


「君主がお呼びよ…って低俗な事してるわね、相変わらず…貴女はそれしか無いのかしら?」


「眼鏡?お前に言われたくないし、お呼びでないし、旦那に言ったら何度も殺すぞ?」


「あら?この赤色の娘、感染してるじゃない?いや、していた?可哀想に…でも、自力でアレを抜くなんて素質あるわね…見せてあげようかしら?」


「おい、無視するなや…絶対言うなよ?ホントに…洒落にならんから…誤魔化せよ?…」


 暗くてよく見えないが、確かに眼鏡をかけた女性が近付いて来て私の頭とタロァの頭を撫でた。

 

 「ついでに覗き趣味の娘にも見せてあげるわ…貴方達が運命に逆らわなければ、起こるべくして来る未来を。これは予知ではない、あくまで全ての情報を統合した予測の産物、変えるのは…貴方達自身よ?」


 その瞬間、私の…私達の仮の未来、人生が脳に走った。これは知っている…私がおかしくなっていた時に見た悪夢、考えたくもない創造。


 タロァが私の事を知り狂い、死を望むタロァを私が殺し、現実と過ちが混ざりサラが狂い、蘭子は責任を感じて幸せを手放し、メグミが数十年かけて後始末をする最悪の未来。

 入学式の日に会った4人、タロァを色んな意味で想う4人、正々堂々と、何があっても憎まず祝福しようと約束した4人。

 

 その4人とタロァが全員不幸になる結末の物語だった。


「何だよ…コレは…俺のせいで?…皆何で…本当に?…こんな事…」


 タロァは…何処か空を見ながら誰に話すわけでも無く独り言繰り返す。


「は?…いや…何これ…こんなの…おかしいって…」


 押し入れの向こう側でメグミの声がした。

 聞いていたのだろうか?そして、見えたのだろうか?


 眼鏡の女性がまるで神託を出すかの如く手の平を前に広げ語る。


「フーン…運命の輪、5人のうち3人いるのね…恋は戦い、愛は闘争よ…そこにNTRが入れば、勝者は心の底から幸福を享受し、敗者は涙を流しながら後悔する。だけどね、我らが君主は無粋な横槍は許さない…だから貴方達にチャンスをあげる。そして、全てが終わったら天に祈りなさい、ネタキュ『やめろ馬鹿』キュキュキュキュムギュング!?」


「アマテラスさんにアシュラさん、帰るだよ。ヒ…君主さんもこう言ってるよ」


 眼鏡の人の後ろに何かギチギチなってる女の人がスマホを掲げ現れた。そしてスマホから男性の声がした。


『皆さん、申し訳ございません。お前等2人、人に迷惑をかけるなと言ったよな?二人共、帰ったら分かってるな?特にタ』


「お待ちくだされ!タツじゃありません!貞淑で主人の一歩後ろを歩くタツは、アイドルと知り合いたいから勝手にNTR相談センター時代の電話を勝手に取って引き受けた挙げ句、良かれと思ってアイドルに対魔忍の格好をさせたり脱糞させたりしません!あ、しまった!」


『………………よく、分かった。タツじゃないなら虫と幽霊は平気だな「いや、駄目なものは駄目ッ!」暗転、後はよろしく。ブツッツーツー』


 ドサッ!「ムゴゥッ!?」


 いきなりTが両手を離すから、自分の出したアレの上に落ちた…く、臭い…アイドルじゃないし…

 「アアァ…タツじゃないのにぃ…」と悲壮感漂うT…いや、アンタはタツだろ…全容を勝手に喋ってくれたおかげでよくわかった。

 そしてTはフラフラと、眼鏡の人と一緒に窓から出ながら私に向かって言った…「また、明日な」…と。


 呆然としているタロァにかける言葉がない、私も頭が働いていないからだ…え?明日も!?


 不可思議過ぎる出来事に呆然としていると身体が虫だらけの女性が私を担ぎ上げる…虫は平気な方だけど…気持ち悪くないのかなぁ…


「ほら、皆、解散解散、帰って帰って…狭い部屋にワラワラ集まって何やってんでしょね…んじゃ、このアイドルとやらも回収してと…それとそこの男の子…これは迷惑料…色々ごめんだな…」


 虫の人はタロァに封筒を渡し、私を担ぎ窓から飛び出した。

 そして、家に運びながら言った。


「今日の事は忘れた方がええだよ、アンタも有名人…色々と大変ろ?もしなんかあったら馬鹿な事されそうになったらココ電話してけれ…しかしまぁ…久しぶりに知らない人、しかも男やら芸能人と喋るなんて緊張するだな…なぁクワガタンjr…」


 頬をポリポリ書きながら肩に乗ってるクワガタに話している…この人達は一体…でももしかしたら…


「皆さんは一体何なんですか?私は…確かに今の状況から抜け出したくて…芸能界というカゴから出たくて依頼しましたが…貴方達はアソコから私を出してくれるのでしょうか…?」


「いや、出し方なんか知らんよ?アンタに色々してた姉さんだってアイドルと知り合いになれるとか俗物的な考えで依頼受けてるからな…カゴから出たいと思うなら自分で出るしかねえろ…」


 最後に…出来る事は知ってる奴を全員この世から消すぐらいしか出来ないと、とても物騒な事を言って、私を部屋に転がし帰っていった。


 1日が終わった…けど、学校で新学期が始まるように…何かが始まる…そんな予感がした…気がする。

 

 


※時間空いたりと意味不明になっているので、次回は時間軸を入れた説明を入れたいと想うまする。

体調不良で更新激遅!時間差で、書き始めると内容滅茶苦茶!そんなクマシオ!許してください!(土下座)

 


 


 

  

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