第ⅺ寝〜日常は、非日常。それでもどこか楽しくて…このまま続けばなぁなんて

 やっちまったな…


 メグミがゴロリとソファーで横になっている…

 机の反対側に座るお母さんに俯きながら弁明する。


「フザケすぎました、反省はしているです、はい」


 妹とはいえ女、そして血は繋がってない。俺は家庭内で唯一の男。

 それが全裸で股間を振り、その後妹を抱きつくという狼藉。

 時代が時代ならノコギリで首を切る公開処刑である。


「いや、まぁね。別にフザケてるのはわかるしそれだけ太郎が気軽に、…うんまぁ良いんだけど…ただメグミが…」


 被害者のメグミはジト目で俺を見続けている…目を合わすと逸らされる。

 トラウマなのか?トラウマを俺が!?いかんな。責任は…ヨウタでも紹介しようかなぁ…


「お兄ちゃん…その、痣…身体…怪我…なに?」


 俺の最重要誤魔化し案件を裁判状態で議題にあげる、メグミはやり手だな。


「お兄ちゃんは反抗的なヴァイオレンス高校生だから生傷が耐えないかもしれない。だが安心してほしい、イジメではない、その証拠の顔ではなくボディだ。メグミが気にする必要は無い。後一年だし、友達もいるしな。オススメはしないがこれも青春!」


 意味不明なテンションで明るく語るが全く通用しないな、これは。


 何故なら母はショックを受けた顔、妹は歯軋りをしている様に見えるからだ。

 『そうなんだ、アハハ』で終わらせようと思ったがそうはいかんらしい。


「いや、ホントに心配しないで。2年の時は違ったし、すぐ飽きると思うよ。ほらほら!そんな顔しないで、今日はめでたいメグミの入学式じゃん(笑)」


「ホントに?私に出来る事は無い?」


 母が心配そうに問いかけてくる…お母さん、大丈夫だよと繰り返しているとメグミが呟いた…


「私は信じてないから…絶対なんかある…私の好きなようにやるから…」


 と、再度ジト目になりこれ以上は譲らないとばかりに目元までタオルケットをあげてしまった。 面倒くせえ…


「とりあえず周りには言うなよ〜、大事になるの嫌なんだよ。な?誰にも言わないでな?お願い!」


「……………なんでよ…………バカ………………」


 

 困ったな、一番面倒くさい状態になってしまった。

 まぁメグミにも言えないがシアの影響でここで来たってのは蘭子と俺しか知らんからなぁ…無意味に怨恨増やすのも…



 

 次の日、朝からメグミが何かやってる…正直考えたくないから見ないようにしていた。

 とにかく面倒な気配しかしない。俺に出来る事は…祈るのみ。


 暫くするとサラの子供っぽい挨拶が聞こえた。

 

「おはよ〜ございま〜す!うあ!?メグミちゃん!?何をそんなに持っていくの?」


「おはよサラ…昼対策と武器等…」


 武器等?校則違反ではないのかな?武器は…昼対策って作ってたの弁当だろ?

 しかしサラは本当に小さいシアみたいで可愛い…ついつい頭を撫でてしまう。


「それにしてもメグミちゃんかぁ…なんか同じクラス何だって?仲良くやってくれよ〜?メグミはちょっと変わり者で怖いけど良いやつ何だよ、な?メグ…ミ…?」


 頭を撫出ていると、サラはふにゃぁとなった…それが面白くてメグミの話しながら撫で続けていると憤怒の表情で俺を見る…忙しい奴だなぁ…


「ちょっと…私に…そういう事した事…無いんじゃない?…」


 撫でるって事か?

 だってメグミは少し前まで俺よりデカかったからな。

 しかも喧嘩してたからな…撫でる訳無いだろ?

 この感じ…多分、サラに抱きついた事言ったらキレるな…


「分かった分かった…いつからお前そんな…」


 メグミは頭を撫でると仏頂面をしているが少し口角が上がった…と、同時にサラがむくれた。


「ねぇ…ハーレムルートは良いから早くしてよぉ…遅刻するよぉ…」


 玄関で蘭子がブツクサ言ってる…スマン蘭子。





 学校に着くと早速、ヨウタにからかわれた。


「昨日ヴァイオレンス青春太郎かと思ったら朝からラブコメモテモテ太郎かよ…あの大きい女の子なんか図浦シアに匹敵しねぇか?お前ハンパねぇな。」


「いやいや、皆少し前まで中学生だぞ?駄目だろ?人間的に(笑)後、大きいのが俺の妹、小さいのは友達の妹だからな。」


「妹?マジかよー!全然似てねーじゃん!紹介してくれよ!いやいやいや、もちろん友達としてな?俺、彼女いるからな?」


 いやまぁ、昨日、コイツをあてがおうとしたけどもな…やっぱ元間男に紹介するのは…


「でもハーレムには変わりないよねぇ…両方とも付き合っても問題は無いんだし…」


 何を察したのか知らんが「何だとっ!?」と、ヨウタの目がカッと開く。

 蘭子も余計なこと言うなよ…


 こんな感じだが3年になって…実はクラスでは結構快適だ。まぁ初日からボコられたけども…シアの取り巻き連中はクラスの半分いかない程。

 それ以外はバラバラな感じで、受験もあるせいかあんまりお互い関わろうとしない。

 そのバラバラが俺達含めて群れている様に見えるのでクラスか二分している…

 それに初日から喋りかけてきたヨウタ、学校ではボッチだがファミレスでバイトしてるせいか校外では友人が多いらしい…嘘かも知れんけど。

 そのヨウタと校外で有名な先輩に目をかけられていた俺、そして蘭子。


 昨日俺をボコったメンバーは、同じクラスだとモブヤンキー1人とラグビー君の2人だけだ。

 こっちも群れてると分が悪いと踏んだのか、2人だと何もしてこないから安心だ。

 

 そんな感じ。結局、表立って争いなんて起こらない。だって普通の高校だかんね


 下校時の別クラスと合流したヤンキー襲来だけ気をつければ良いだけ、彼らも…もう少ししたら進路を考えて落ち着くであろう。

 何が言いたいかというと…バイクで来たいんだけどなぁ…ウチの学校、昼食ったらホームルーム後、3年は選択した授業取ってないと下校だ。

 進学組で内申点を盛ろうと課外活動、試験組は予備校と皆好き勝手やってる。

 

 もうすぐ昼休み…間もなく学校が終わる。

 何も考えていない俺は…とりあえず13時に学校が終わって16時頃(適当)にオーナーさんと入れ替われば良いからな。オーナーさんがいないときもある。


『常連客だけで回ってる店だから…適当に開けといてよ。タイムカード分は払うから』


 一応16時から20時を週4〜5、扶養家族内に収める感じでダラダラ働くのだ。

 そして思ったより稼げたのでバイクで走りたい。

 俺は2年の時に楽しい学校生活なんて期待を捨てていた。昼休みもフケようと思っていた。

太郎がいないなら私も帰るとか蘭子も言ってたし。

 4時間あれば隣町や高速に乗って少し遠くまで…何てことも出来る…しかし…



 ガラララララッッッ!!!


「犬山太郎さん…何処ですか?…いた…」


 3年と言ってもおかしくない身長と威圧的な態度…どういう中学生活を過ごしていたか知らんが何であんな貫禄あるんだろうと思わせるメグミが来た。

 ヒョコヒョコと動く小さいサラを連れて…


「兄さん、お昼一緒に食べようよ。中庭で」


 変な青春…妹とその友達と昼食べる奴…それは俺…何故か学校では兄さん…


「「漫画みたいだね…」」


 蘭子とヨウタの声が重なる…俺もそう思います。


 メグミの後ろでメグミの背中にしがみつかんばかりに密着してるサラ…ビビリ過ぎだろう…


 クラスがザワつく…噂ウワサ、好奇な目、俺は去年女遊びが酷かった設定だ、だから今度は後輩…そんなところか?



バチチュッンッ!!バチチチチチ!パンッッ!!


 うぉ!?急に工事現場の音、電流の流れる音みたいな、学校では聞こえない音がした。

 びっくりしたサラが転がった。

 明らかにメグミから鳴った…アイツ…まさか…


「妹が兄さんと昼を食べる…何か問題でも?…」


 凄まじい高圧的な態度でシアの取り巻きグループの方を向き殺意を込めながら言った。

 横を見たらヨウタもブルブル震えていた…




※ここからペースを早められるのか…コメント返しは、クリスマス以降します!頑張ります!

 誤字脱字酷かったので一回引っ込めました!


 



 






 

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