第15話 うばわれ

 流し込まれた薬は、粘膜に張り付くように体の中へ侵入し、紫音しおんは湧き上がってくる体の火照りに体を痙攣させはじめる。

 紫音しおんの体がびくりびくりと揺れ動けば、六芒星の輝きがまして、辺りは様々な色が入り乱れ、オーロラのように揺らめいた。

 息遣い荒く、艶めかしい体を揺らしながら悶えはじめた紫音しおんを見つめながら、鷹盛たかもりはゆっくり自分の着物を脱いでいく。

「はぁ、あ、あぁ、……あぁぁ!!」

 体の中心から広がる恍惚となる感覚に抗おうとも抗えず、突き抜けるのような衝撃に、紫音しおんはびくんと大きく体を跳ね上がらせ、天を仰いだ瞬間、意識が真っ白になり動かなくなった。

 全裸になった鷹盛たかもりはその様子をじっと見つめていたが、六芒星の輝きがより一層強くなったのを確認した後、ニヤリと笑い手に鍵と小瓶を持って紫音しおんに近づく。

 紫音しおんの頬を叩いて意識がなくなったのを確認すると枷を外した。

 縛り付けられていた戒めが取り払われると、紫音しおんは岩に背中を付けたままズルズルと座り込む。

 その体は桃色に上気しており、鷹盛たかもりは抑えきれぬ息遣いをそのままに、小瓶の中の液体を自分の口へと流し込んだ。

 粘りのある液体を口に含み、じっくり自分の唾液と混ぜ合わせた後、ぐったりと項垂れている紫音しおんの顎を持って上を向かせて、口移しで液体を流し込む。

 液体が紫音しおんの喉を通って口の中になくなったのを確認するように、舌を侵入させて、互いの舌を絡め合うように動かした。

「ぅん、んふぅ……」

 紫音しおんの息遣いに艶めかしさが現れたところで唇を離し、あぐらをかいた自らの太ももの上に紫音しおんを跨がるように座らせ、その耳元で鷹盛たかもり紫音しおんの名を呼んだ。

 その呼びかけに反応するように、動かなくなっていた紫音しおんの体は一度痙攣したのち、頭を起こして鷹盛たかもりの顔を見る。

「はぃ、鷹盛たかもり、様……」

紫音しおん、お前の主人は誰だ?」

「もちろん、鷹盛たかもり様……です」

「そう、良い子だ。ではどうすればいいか、わかるな?」

「はぃ、鷹盛たかもり様」

 ぼんやりとまるで愛しい人を眺めるように鷹盛たかもりを見つめた紫音しおんは、鷹盛たかもりの首に腕を絡ませ、舌を突き出して鷹盛たかもりの唇にむしゃぶりついた。

 唾液が絡み合う音だけが響き、紫音しおん鷹盛たかもりの唇の温かさを求めるように貪る。

 肢体を絡ませ、乱れた息を吹きかけてくる紫音しおん鷹盛たかもりは何もせず、紫音しおんの様子を楽しげに眺めていたが、紫音しおんの唾液が自分の口中を満たすとにんまりといやらしい微笑みを浮かべて紫音しおんを引き離し、そっと紫音しおんの胸に手を滑り込ませた。

 吸い付くような素肌の感覚を手のひら全体で味わいながら、着物から覗く桃のようにみずみずしく、白さの中に薄い赤みが感じられる肉体をじっくりと眺める。

 紫音しおんの体は、長い年月閉じこめれらている者とは思えぬほどに張りがあり若々しかった。

「フフフ。紫音しおん、お前の体はいつ見ても美しい」

 鷹盛たかもりの滑りこんだ手はそのまま、片手では収まりきらないほど大きな胸を包み込んで、そのままゆっくりと揉みしだく。

「ん、ふぅう……」

 思いのままに形を変える胸と、強弱を付けて刺激を与えられることに、紫音しおんが色めいたため息を漏らしながら喉をのけぞらせれば、鷹盛たかもりの顔はその美しい首筋に沈んでいった。

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