Case 8ー2 真由ちゃん
月曜日、大学に行くと、おはようといつもと変わらない真由ちゃんがいた。
私はこの土日、真由ちゃんと顔を合わせたら、どんな顔をしたらいいんだろう……と思っていた。
だけど真由ちゃんは、なんら いつもと変わらなかった。
「さとちゃん、いつ帰ったの?1人で帰ったって、心配したよ~!!」
「あ、ごめん。なんか、酔っぱらって気持ち悪くなっちゃったから。あんま、飲み会のこと、覚えてないくらい。あははっ」
「えっ?そんなに飲んだの?気がつかなくてごめん」
あなたは、ずっとトイレにこもってたから、私がどれだけ飲んだかも知らなくて当然だろ。
私は、全然酔っては いなかった。
ただ、あなたのしていることが気持ち悪くて、
もうあの場にいられなかっただけだ。
いつも、そんな感じなの?
誰とでもセックスしちゃうの?
おかしいんじゃない?
言いたいことはたくさんあったけど、言わなかった。
気の合う、仲のいい友達って思っていたけど、
この人とは親しい仲にはなれないな。
大学だけの友達として、つきあうことにした。
大学1年の冬くらいから、真由ちゃんはラーメン屋さんでバイトを始めた。
その前は、ファミレスだった。
飲食店の接客とかが好きなんだな。
にこにこしてて、人当たりがいいから、合っているんだろう。
ほどなく、彼氏ができたと真由ちゃんから聞いた。
ラーメン屋さんのアルバイトの人だという。
アルバイトだというのだから、高校生か大学生なんだろうと思っていた。
それが、違うとわかってきた。
小出しの話をまとめれば、会社を辞めて今はフリーターの32才、カヤマさん。
5年つきあってる彼女がいるけど、別れると言ってくれてる。
で、今は真由ちゃんのアパートにしょっちゅう泊まりにくるのだそうだ。
恋愛してる人に、何を言っても聞く耳を持たないだろう。
フリーターが悪いってわけじゃない。
だけど、32の男がラーメン屋のバイトってゆうのは、将来的にも不安な感じがする。
そして、5年つきあっている彼女の存在。
真由ちゃんは、カヤマさんが彼女と別れる前提でつきあっているんだろうけど、その男に別れる気があるのだろうか。
5年つきあっている彼女は、自分を支えてくれる存在。
真由ちゃんのことは、若くて可愛くて、セックスさせてくれる相手ってくらいにしか思ってないんじゃないのか?
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