第3話 小学3年 男子

 僕が朝起きると、ベッドの横に黄色いノートが入っていた。僕は今、精神科に入院してる。

 表紙にマジックで「こうかん日記」と書いてあった。

 こうかん日記って何だろうと思ったけど、ノートを開けてみたら、何か書いてあった。


『ルイ君、これからこうかん日記しようね。ルイ君はどんなことがすき?』


『ぼくが好きなのは、人をなかせるのと、人をこまらせることだよ』


『ルイ君はどんな風になかせるの?』


『いちばんかんたんなのは、なぐることだよ』


『なんでなぐるの?』


『やきゅうのバット。おにいちゃんがやきゅうやってるから、そのバットでいもうのさやかをなぐったら、ずがいこつをこっせつして、きゅうきゅうしゃではこばれていったよ。お父さんも、お母さんもないてたよ』


『さやかちゃんよくなった?』


『いまも入いんしてるみたいだよ。いしきがないって』


『またやりたい?』


『つぎやったら、けいむしょに入らないといけないから、ないしょ』


『ルイ君がつかまらないようにいのってるよ。わたしのこともはなしていいかな。わたしがすきなのは、人のひみつをけいさつにちくることだよ。みんなにもしゃべっちゃうからね。じゃあね。バイバイ』

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