Chase 11 Rika side 翔べよ! その凸凹コンビ?


 ――意味不明。それも『翔べよ!』だなんて。それに凸凹コンビって誰?


 でも……

 そうしたいのは山々……



 天使のようにウイングがあるのなら、羽搏きたい宇宙そらへ。……あっ、思えばそんなマンダムもいた。いつだったか、僕にしては珍しくネオン公国ものではない連邦政府もののバンプラを制作したことがあった。確かそれ……って、


 フェイス……いや顔を見ると、君の……


「そんなこともあったね。天使のように綺麗なカスタムバージョン。

 梨花りかが一緒だったから、できたんだね。できた時の梨花の顔、最高だったし」

 と、再現の意味を含むのか……


 恍惚とした……そんな顔していたのかな? と思えるような表情。


 せっちゃんがすると、何だか艶っぽくて……何故か接吻へと誘われそうになる。けど抑える。抑圧に抑えるの。そして弄るピンクのポーチの中。……すると、するとね、


 焦りへと、誘われる。


「梨花、どうしたの、泣きそうな顔して?」


「……ないの」


「あんたまさか……」


「多分そのまさか」


 スタンプラリーなだけに、スタンプを貰おうとしたその瞬間のことだ。このイベントに参加する際の必須アイテム。つまりはスタンプを押すための専用の小型ノートを……


 多分、多分だけど、


 ――忘れちゃった。


「ホント間抜けね、どうするの、どうするの?」と、せっちゃんが煽るものだから、


「うるさい、あんたに言われたくない」と、手にするスマホ。かける電話を早々と。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る