戦場には何もない。そう、選択肢さえも。

戦場とは大国同士のエゴがぶつかり合う場所である。
そもそも戦争そのものが正義や大儀が切っ掛けで始まったものではなく、始まりの大本からして完全に歪んでいるわけなので、そこに人権だの、選択肢だの、逃げ場だのといったものはこれっぽっちも存在しない。あるとしたら、最後の日本兵よろしく山奥に隠れ潜んで自給自足の生活を過ごし、終戦まで生き延びるほどの根性とサバイバル技術が必要となるだろう。第二次大戦時には下水道に隠れ潜んで生きながらえたユダヤ人もいると聞く。

残念ながら戦場には殺戮以外、何もないのだ。
この作品はそれを端的に教えてくれる。

選択肢があるかのように少しでも考えたこと。
それがもはや誤解なのだと、我々は最後に気付かされるだろう。

戦争の真実を知りたい貴方へ、是非。

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