まばゆい地獄

魚崎 依知子

まばゆい地獄

 そうして人類は永遠の眠りについた。はずだった。

 跳ね起きて真っ先に確かめた兄の部屋に兄の姿はなく、両親の寝室にも二人の姿はなかった。多分、予定どおりに審判は下されている。なぜか「私は生きてる」けど。

 ……ちょっと、ちゃんと考えよう。

 以前の姿に戻ったリビングの軋むソファに腰を下ろして、混乱を静めるように長い息を吐いた。


 神が人類を滅ぼすと決めたのは、半年前だった。何か大きなきっかけがあったわけではなく、蓄積された結果らしい。「お前達には愛想が尽きた」と聞こえたあと、深い溜め息が澄んだ青空に響き渡った。

 ただ神は、最後の慈悲として「滅びたくない」以外の願いならなんでも叶えると約束した。審判を下す日まではありとあらゆる願いを叶えてやる、と。

 その結果、街には贅沢品を身にまとった美男美女が溢れ、高級車が走り回り、住宅地は瞬く間に高級住宅街へと姿を変えた。芸能人は求められる数だけ分裂してあらゆるところでカップルになり、分裂した職員で埋まる役場で婚姻届を出した。

 働いていた人達の多くは、「分裂した自分」に仕事を任せることを選んだらしい。うちの両親も「分裂した自分」に仕事を任せ、私の傍にいた。兄は分裂はせず、大学に行くのをやめて「世界一のプロゲーマー」になった。ほかにも「世界一のプロゲーマー」になった人はいたはずだが、そこは世界が分裂して対応していたのだろう。兄の世界では、確かに兄が「世界一」だった。

 でも最初はそんな風に大盛り上がりをしていた世界も、三ヶ月も経つ頃には大人しくなった。まあ望むものを全て与えられ、どんな夢でも叶えてもらえたのだ。最高の彼氏も彼女も、豪邸も宝石も名声も望むだけで手に入る。でも全てが思いどおりになると、人間は無気力になるらしい。最初は世界一を満喫していた兄も、ゲームにすら触らなくなっていた。


 私は最初の数日だけ真面目に高校へ行ってみたものの、なろうと思えば兄のように一瞬で望む職に就けることに気づいて行くのをやめた。でも、望む職にも就かなかった。

 私は弁護士になりたかったが、弁護士の仕事をするためには犯罪者が必要で、でもその願いを叶えるために犯罪者を生み出すのは本末転倒で……諦めたのだ。次に「親友と呼べる友達が欲しい」と思ったものの、私のために生み出されても嬉しくなかったからやめた。彼氏も、親友より虚しくなりそうだからやめた。

 その頃、テレビで「自分のことだけを愛してくれる最高の人ができました!」と言っている美女がいた。その人は、見た目も全部自分の理想に変えたらしい。本来の自分ではない見た目で、自分のために生み出された自分だけを愛す人を与えられるのが「幸せ」なのか。

 いろいろ考えて、私は好きな本と菓子、かわいい服と小物を願って手に入れるくらいにしておいた。


 審判が下る一ヶ月前には、世界は全てを手に入れて「燃え尽きた人達」が溢れる場になった。審判を待たずして安楽死を選ぶ人が増え、世界の人口は半分近くにまで減っていた。

 残り半分の中には、「以前に戻りたい」と願った人達もいた。彼らが歩いてくると「燃え尽きた人達」の姿が消えるから、すぐに分かった。「燃え尽きた人達」は、彼らが通り過ぎるとすぐに現れた。

 近所の男性は、「新しくした妻」を「以前の妻」に戻した。でも周囲は、彼の隣にいるのは相変わらず「新しくした妻」で、彼が彼女へ視線を向ける時だけ「以前の妻」になるのだと知っていた。

 もっとも、事実を伝えるのは無理だった。彼らの目や耳に「以前の世界」に不要なものは届かない。見たいものや聞きたいことしか与えられないよう、神が丁寧に地獄を作っていたからだ。

 この頃には、神が人類を微塵も愛していないことには気づいていた。だからもう、綺麗さっぱり人類を消し去るものだとばかり思ってたのに。


 審判は昨日の夜、神は「未明のうちに審判を下す。痛みも苦しみもない」と声を響かせた。私は母の作ったカレーで両親と最後の晩餐を終え、燃え尽きて無気力になった兄の部屋へ向かった。生きる気力はなくても安楽死を怖がった兄は、いやだ、とか細い声で漏らして、啜り泣いた。

 私が生き残ったのは、両親が「本当は、私達は死んでもあなた達は生き残って欲しい」と泣いたからだろうか。でも、それなら兄も生き残っていなければおかしい。これが「審判」と言う名の審査で、燃え尽きなかった人達を残したのなら、両親も生き残っているはずだ。

 考えられるとしたら、「欲が少なかった者」「平和を求めた者」くらいか。

 もしそうなら、私だけではないはずだ。とりあえず、外に出てみよう。

 ひとまず部屋に戻り、クローゼットを開ける。ハンガーに掛かる子供っぽい服に元どおりを実感したあと、両親の寝室へ向かった。


 母のクローゼットから黒のロングワンピースを選び、外へ向かう。靴も母の、ヒールの高くないやつを借りた。

 昨日までは高級住宅街と化していた近所も、ちゃんと半年前の姿に戻っていた。大衆車のごとく溢れていた高級車も、今は一台もなかった。住人を失くしたここは、これから緩やかに朽ちていくのだろう。

「誰か、いませんか?」

 終末を迎えた世界にふさわしい言葉を叫んでみる。しばらく待っても人の声はまるで聞こえなかったが、犬達の鳴き声が聞こえた。


 近所を回って犬を集めたあと、ひとまず公園へ向かう。ゴールデンレトリバーとプードル、柴犬、コーギー、分からないの二匹。

「ちょっと、ほら、ちゃんと歩く!」

 けんかしないのはいいが、全くもってまとまりがない。好きな方向へ好きな速度で向かおうとする犬達に、途方に暮れた。

 見つけてしまった以上は無視できなくて連れてきたが、離してやった方が幸せなのかもしれない。捨てるわけではなく、人のエゴからの解放だと思えばいい。どうせもう、我が物のようにのさばっていた人類はいないのだ。私の仮説が確かなら残っているのは欲の少ない平和主義者だけだし、犬にこの世を明け渡したって文句はないだろう。

「あ、犬だ!」

 聞こえた明るい声に視線をやると、小学生くらいの小柄な少年がいた。Tシャツに丈の短いズボン、足元はサイズの合わない大人のサンダルだ。

「ねえ、触ってもいい?」

「いいけど、お父さんやお母さんは?」

「いないよ、朝起きたらいなくなってた」

 あっさりと答えながら、少年は犬達に戯れる。犬達もしっぽをぶんぶん振って応えているから、気に入ったのだろう。

 明るい笑い声に違和感はあったものの、そういえば私も似たようなものだ。朝起きたら家族全員いなくなっていたのに、割となんともない。

「おねえちゃん、六匹も大変でしょ。手伝うよ」

「そう? じゃあ好きな犬、一匹選んで。これから公園に行くとこなの」

 少年は、うん、と頷いて、一番大きいゴールデンレトリバーを選んだ。大丈夫か。

「こんな大きい犬、初めて見た。この子、名前は?」

「分かんない。ここにいる子、みんな家族が消えた家から集めてきた犬だから。新しい名前をあげたら?」

「じゃあ、ポチにする」

 少年は一番その名が似合いそうな柴犬を横目に、新たな名を授けた。

 早速渡したリードを握り、少年は意気揚々と公園に向かう。

「そのサンダル、大きくて歩きにくいんじゃない?」

「朝起きたら俺のズックがなくなってて、これしかなかった」

「『ズック』て、何?」

 聞き慣れない言葉に尋ねると、少年は驚いたような表情を浮かべた。

「靴のことだよ、知らないの?」

「そうなんだ、知らなかった。今はそんな風に言うんだね」

 流行に疎いのは分かっていたが、小学生に驚かれる日が来ようとは。

 苦笑した時、向こうで子供の声とブランコが軋むような音が聞こえた。気づいた少年は笑顔を浮かべ、犬と共に駆け出して行く。残った五匹も、彼らの後を追うように私を引きずり公園を目指した。

 まだ、子供がいたのか。

 引きずられながらの驚きは、やがて間違いだったことに気づく。

 公園には、十人近い「子供達」がいた。これは、どういうことだ。

 呆然として眺めていた視線が、ふとベンチへ向かう。大人だ。スーツ姿のまだ若い男性がベンチで、ぼんやりと子供達を眺めている。

 とりあえず、あの人に話を聞こう。

 一足先に公園へ入った少年に続き、中へ入る。途端に群がってきた子供達に犬を預け、私はベンチを目指した。

 すみません、と声を掛けた私に、男性は顔を向ける。あれ、と気づいた私を、彼は不思議そうに眺めた。確かどこかで会ったが、どこだったか。思い出せない。

「朝起きたら、家族が消えてて。近所に残ってた犬を連れて来たんですけど。昨日、審判があったんですよね?」

「そう記憶してますけどね。僕も、朝起きたら妻と子供達が消えてたんです。昨日確かに、一緒にごはんを食べて、一緒に寝たはずなのに」

 まだ信じられないのか、男性は何も持っていない自分の両手をじっと見つめる。私は隣に座って、何事もなかったかのように犬と遊ぶ子供達を眺める。幼稚園児から小学生、中学生くらいもいる。でもみな、何事もなかったかのような。

「君は、この辺に住んでるの?」

「はい、そうです。六丁目の高岡たかおかです」

「そうなんだ。僕も六丁目の……どこだったかな、家を建てて引っ越ししてきたばかりで。広田ひろたです」

 苦笑する男性を、じっと窺う。

 六丁目は十年ほど前に一気に開発されてできた番地だから、近年建ったばかりの家はない。それに建築中の場所があったら、気づくはずだ。広田さん、か。

 なんだろう。何かあった気がするのに、思い出せない。

「君は、中学生?」

「いえ、高校……中学生、です。十五歳」

 すとんと腑に落ちた何かに、さっきより一回り小さくなった気がする手を見つめる。なぜ高校生だと思っていたのだろう。私は中三だ。

 気づくと、母のワンピースの袖が細い腕に余っていた。さっきまでは、ぴったりだったはずなのに。

「あの、審判のこと、どう思ってます? 私は審判といいつつ実は『審査』で、欲が少なかった人達だけが残されたのかなって。子供達が多いのも、だからじゃないかと実感してるんですけど」

「それはあるかもね。僕も家族と過ごせたらもうそれだけでいいと思ってたから」

「ほかには、何も?」

 それも、少し驚きだ。こんなに欲の少ない人がいたのか。

「うん。もう僕が親として何もしてやらなくても、子供達は神様に願いを聞いてもらえてたから」

 寂しそうに答える広田さんに、なんとなく居た堪れない心地になる。

「広田さんは、分裂せずに家族の傍にいたんですか? うちの両親は共働きだったんですけど、二人とも分裂して仕事を任せてました。それが消えた理由の一つかなって、思ってるんですけど」

「いや、僕は……どうだったんだろう」

 広田さんは煮え切らない答えを返しつつ、俯く。やっぱり、私はこの俯いた顔をどこかで見たことがある。

「良かったら、一緒にこの辺を散歩してみませんか? 街や駅の方に行ってみたら、何か分かるかも」

「ああ、そうだね」

 広田さんは納得して腰を上げたあと、無邪気に遊ぶ子供達を懐かしそうな目で眺める。我が子を、思い出しているのだろう。

――あなたが生きててくれたら、それだけで。

 私の姿を見るなり泣き出した母の姿を思い出す。父も、嗚咽に肩を揺らしていた。父が泣くのを見るのは、初めてだった。

 父は弁護士で、祖父の後を継いで弁護士事務所を経営していた。でも後を継がせたかった兄は少しも勉強ができなかったから、勉強が得意だった私に後を継がせようとした。私もそのつもりで勉強をして、それで……それで、どうなったのか。

 靄がかかったかのように思い出せない何かを抱えて、広田さんと公園を出る。犬達は、しばらく少年達に預けることにした。


 駅への道を歩いていると、広田さんが突然、ああ、と言う。

「僕は確かに、この道を歩いてた。通勤路で……でも、この半年の間じゃない」

「神の言葉が聞こえる日の前ですよね?」

 そんな、思い出すようなことなのか。でもなんとなく、その違和感は理解できる。この世界は、どこかおかしい。

「ああ……うん、そうだ。僕は駅のホームで、神の声を聞いた。そのあと、気づいたら家にいたんだ」

「私も、確か外にいました。声が聞こえたあと溜め息が空に響き渡るのを見ていましたから。私も……駅、にいたような」

 どちらともなく掴めた緒に頷いて、駅を目指す。駅に行けばきっと、何かが分かるはずだ。

 無言で歩き続けることしばらく、駅が見えてくる。あとはこの、歩道橋を渡れば。

 歩道橋。

「どうしたの?」

 突然足の遅くなった私に、広田さんが尋ねる。いえ、と答え再び足を早めて、歩道橋の古びた階段を上がる。ここを通って下りれば、駅だ。錆びた卵色の欄干の下には、一台も車の走っていない四車線。もう少し先へ視線をやればすぐそこに、駅のホームがあった。

 あ、と短く零したきり、足が動かなくなる。

――角のお家の広田さん、知ってる? 今朝、電車に飛び込んだんですって。まだお子さん達も小さいのに、どうするのかしら。

 母が父に報告していたのは、いつだったか。

――子供がいるところで、やめなさい。

 窘める父の声も覚えている。私はそれをリビングの机で、算数ドリルをしながら聞いていた。それで私は……。

「大丈夫? 顔色が悪いよ」

「いえ、なんでも。駅に行きましょう」

 再びの怪訝な表情に、噴き出した汗を拭って答える。そんなことはない、はずだ。


 駅には子供達のほかにも数人、スーツ姿の大人がいた。男性も女性もいる。でも駆け回って遊ぶ自由な子供達とは正反対に、みな手持ち無沙汰な様子で立っていた。私達と同じく、とりあえず駅に来た感じなのかもしれない。

「ホームに行ってみましょう」

「……はい、行きましょう」

 何かを思い出したのかもしれない。広田さんは顔をさすり上げたあと頷き、意を決したようにホームへ向かった。

 駅員の消えた改札を抜けて、広田さんは自分が利用していたらしい3番ホームを選ぶ。

「僕は、確かにここで」

 ホームの端の方に立った広田さんは呟くように言って、溜め息をついた。

 なんとなくその隣に並んで、さっきの歩道橋を見上げてみる。自分の奥からぬるりと這い出た記憶に、私も溜め息をついた。

 やっぱり、そうだ。

 確かに私は、あそこからこの人を見ていた。一度ではなく、何度も。何度も飛び降りるのを、見ていた。

「……僕は、生き返ったんだね」

「多分、私もそうです」

 私も同じように、あの歩道橋から飛び降り続けたのだろう。死んでも、死んだと分からなくて繰り返し。神が愛想を尽かした日、私は歩道橋でその声を聞き、空を見上げた。


「僕達は、家族の願いで『呼び戻された命』なんだろうね」

 公園への道を歩きながら、広田さんが切り出す。

「そうですね。私もさっき、全部思い出しました。言えませんけど」

 私はあの日、志望高の合格発表の日に、あそこから飛び降りた。難関だったが、間違いなく受かると言われていた。でも合格者の一覧に、私の番号はなかった。

 あの瞬間、全ての未来が閉じた気がした。勉強しか得意なことのなかった私が、勉強で失敗したのだ。世界で一番不要な人間になった気がして、怖くて家に帰れなかった。もう、世界のどこにも自分を受け入れてくれる場所はないと思った。

 死ぬしかなかった。

「いいよ。僕も言える事情じゃないから」

 広田さんは私を許して、先へ進む。

「君を含めて、子供達が多いのは当然だろうね。亡くした我が子と最後の半年間を過ごしたいと願った親は、たくさんいたはずだから」

 そして、死んだ親と一緒に過ごしたいと願った子供達もいた。

「でも、なんで私達だけ残ったんでしょうね。豪華になった家は元に戻ったし、高級車は消えたのに。分裂で生み出された人も全部消えたし」

「僕達は無から生み出されたわけじゃないし、生きてる人から分裂したものでもない。見た限り、人間以外の生き物は生きてる」

 駅へ行く道すがら、優雅に道を渡る猫と自由に空を飛ぶ鳥を見た。きっと虫も魚も、象もペンギンも生きているだろう。

「私達は、神に人類として認識されてないんですね」

「まあ、分かりやすく言えば『ゾンビ』だから」

 緩やかな道を下りきって曲がると、向こうに公園が見えた。相変わらず、子供達が犬達と戯れて遊んでいる。響くのは、遊具の音と歓声だけだ。

「多分あの子達は育たないし、僕達も年を取らない。お腹も減らないし、喉も渇かない。きっと誰も産まれないし、誰も死なないだろう。一度死んでるから、欲も執着も少ない。人類から争う理由を抜き取った、別の生き物だよ」

 別の、生き物か。

「それなら、ちゃんと種族名をつけた方が良くないですか。『ゾンビ』はちょっと」

 どこも腐ってないしちゃんと思考できるし、人の肉なんて食べたくないのに。

 広田さんはちらりと私を見下ろして、そうだね、と笑う。

「イモータルって英単語知ってる? 『不死』とか『不死身』とか、そんな意味の」

「英単語は知りませんけど、兄がしてるゲームにそんなタイトルがありました。イモータルなんちゃら」

 死ぬのが怖かった兄は、こんな世界でも残りたかっただろうか。

「いいと思います、ゾンビよりずっと。小さい子は『イモだ!』って言いそうですけど」

「ああ、言いそう。僕なら言ってた」

 笑う広田さんに釣られて、私も笑う。

 近づく私達に気づいた犬が吠え、笑顔の少年達と共に駆け出してくる。その姿は私が知っていた世界よりも、何倍も美しく輝いて見えた。

――あなたが生きててくれたら、それだけで。

 あの日見た母の泣き笑いを、今は鮮明に思い出せる。優しく抱き締めた腕も。

 その願いは叶ったよ、お母さん。

 まばゆい地獄の始まりに、少しだけ唇を噛んだ。



                                (終)

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