【わし編】鈍感側の気持ちも分かってほしいの…

 これは、わしが大学受験にあたって学校見学に明け暮れていた頃の話。

 とある研究室に顔を出した際、案内してくれたお兄さんが出口まで付き添ってくれておったのだよ。



 その研究室を後にして数分後。



 マミー「あのさ…」

 わし「んんー?」

 マミー「さっきの研究室で、案内してくれたお兄さんいたじゃん?」

 わし「いた気がするなぁ…。覚えとらん。」

 マミー「あのお兄さん、明らかにお前に気があったよ? お前が一人で先に進んでいくから、ずっと母さんと話してたけど。」

 わし「ほあ?」

 マミー「いや、ほら。この後、大学全体も案内しましょうかって言ってたじゃん。」

 わし「え? そんなこと言ってた?」

 マミー「お前……研究室のパネルしか見てなかったな?」

 わし「うん。」



 これって、鈍感ですか?

 不愉快とか、敵意とか、そういう感情は割と分かるんですけどぉ…

 まあ、好感を持たれてるんだなって思っても、それが恋愛か友愛かとかって、初見じゃ分からなくない?

 特に、その時のわしは〝受験するかもしれない大学を見にきている〟んであって、決して〝出会いを求めている〟わけではないのです。

 そんな時に、そういう感情を向けられてもねぇ……



 まあ、これまで生きてきた人生の中で、好意を察したことなどありませんが……

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