第4話 しろ

「僕の困ってることも聞いてくれるの?」と弱々しい声でホッキョクグマが言った。俺は大きくうなずいてホッキョクグマが話し始めるのを待った。

「私は、しろ。よろs…。」

とても小さな声で最後のほうはほとんど聞こえない。

「俺はれんとよろしく。」

俺はしろに合わせて静かな声で言った。

「私たちホッキョクグマは今みんな困っているの。それはさっきこんた君が言っていたみたいに地球温暖化で地球の温度が上がって北極や南極の氷がどんどん溶けてしまっているから、私たちが住処にしている氷がどんどん小さくなって困っているという事なんだ。氷がなくなってもホッキョクグマは泳げるから平気なんじゃないかと思う?ホッキョクグマだってずっと泳げるわけではないんだ。だって魚じゃないし、氷みたいに休憩できるところがないと疲れておぼれちゃうの。ペンギン君たちだってすいすい泳いでるし大丈夫じゃないかと思うかもしれないけど、子育ては氷の上でするから、氷がないと子供を育てる事ができなくなってしまうんだ。このまま、地球温暖化が進行すればいずれ、北極や南極の氷がなくなり、私たちみたいな氷を必要とする生き物はみんないなくなってしまうんだ。そんなの絶対に嫌だ!私たちの訴えはいくら頑張っても人間たちには届かない。だから、私たちの事あまり知らない子たちに私たちが困ってることを伝えて少しでもわかってくれたらいいなって思って、私たちはれんと君を呼んだんだ。私たちはれんと君みたいに動物の事を大っ嫌いって思ってほしくなかったんだ。これをきっかけに動物の事を少しでも好きになってくれたら私たちはうれしいな。」

 「俺は、、、俺は、、、そんなに動物たちが俺たち人間のせいで危険な目に遭っている事なんて知らなかった。何にも君たちの事知らないのに君たちの事大事にしてこなかった。君たち動物は、人間に何かを伝えようとしてじっと見つめたり、たくさん鳴いたりしているんだね。俺はなんて伝えようとしているのかなんて考えないでムカつくからうるさい!って怒鳴って、、、ほんとひどいことしてた。俺はもう君たちの事嫌いじゃないよ!今日こうやってみんなと話せて良かった!ありがとう」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る