それは時間を吹き飛ばす第三の爆弾

 ごく普通(自称)の十四歳の少女、二次元沢メタ子のとある朝の物語。

 タグの「トンチキ」に偽りなし、勢いとパワー全開のハイテンションメタコメディです。
 笑いました。本当に章題の通り「壮大に何も始まらない」のもまたおかしくて……。

 とある朝、主人公であるメタ子さんが、パンを咥えて「遅刻遅刻」と猛ダッシュするところから始まる物語。
 ある種のメタ的な構造を前提としたコメディで、なんとこのメタ子さん自身が「物語の登場人物であることの自覚がある」というのが肝。
 サクッと自己紹介を済ませた後は本当にもうやりたい放題で、頭を空っぽにして楽しめます。

 俗に「第四の壁を越える」などと言われる、地の文において直接読者に向けて自己紹介をする技法、それそのものがキャラクターの(ひいては物語の)軸になっちゃってるところに地味に感動しちゃった部分もあったり。
 ものすごい剛腕ぶりを感じるお話でした。こういうトンチキ話大好き!