誰かスポドリ持ってこい!!

と、言いたくなるような爽やかさとアツさ。少女漫画というよりはスポーツラブコメ少年漫画になるだろうな。
題材がわかりやすい。シンプル。入り込める。こういう爽やか系物語、嫌いじゃないぜ。ジャンプの某スポーツラブコメを思い出したが、あれも連載当初からずっと読んでいる。おそらくここにはわたくしの嗜好バイアスが多分にかかっているが、それを差し引いても好きな人は多いだろう。


気になる点があるとしたら一つだけ。各話の最後が「〜ということを知る由もなかった」系で終わるのが気になる。一体この主人公はどの視点から語っているのか? これは回想録なのか? それとも急に登場人物とは無関係な第三者が語り始めるのか? そこの混乱は否めない。
日本語の技法の観点に立つと、こういった「知るよしもなかった」系の幕切れは話に後を引くので使い所によっては効果的だ。だがあまり多用するとどうしても陳腐化してしまう。加えてどうしても各話を強引にまとめる終わり方なので、場面の進行に余韻が生じないままになってしまう。
題材がシンプルでわかりやすく誰もが楽しめるものになっているがゆえに、気になる部分である。

総評としては、こういう甘酸っぱい青春を経験できたらなあという大人ゆえの妄想的回想を程良く刺激してくれる良作。今後の展開が楽しみだ。