第5話 実技


「…F組? F組って?」



中等部と高等部には3クラスずつしかない。つまり、A、B、C組だ。


因みに柚月はA組になった。



A、B、Cとなっているのだから


当然、各学年のクラスは3クラスしかないと思っていた。



だが、DもEもなくいきなり……


「F組?」


首をかしげる。



「もしかして知らないのか?」


同じように彼らを遠巻きに見ていた高等部らしい男子生徒が答えた。「ここでは有名な連中なんだけれどな」



「ほら、入試の時に筆記が終わった後、君もやらされただろう? 体育館でさ。実技」

「…そういえばわたし、変なことさせるなぁって思ったんですよね」



なにも考えてはいないような柚月の発言に


「だってここは……」

「うん」

「なあ?」

「そうよね。むしろ知らない方が問題だわぁ」


…と、一緒に来た遠浅 紗織(さおり)までもが、その場にいた連中と顔を見合わせている。

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