16話-空間魔法

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毎日見て下さる方、応援して下さる方、申し訳ございません。

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『空間よ!時空を引き裂き我が眼前に顕現せよ!』


腕を振るうと空間が割れその先に見えるのは目。





目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目

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一面に広がるのは目。


大小さまざまな目の群れだ。


皮膚の一部も見えない。


みっちりと詰まった目なのだ。


それが瞬きもせずに一斉にこちらを見ている。


「あ、間違えました」


『閉じろ』


しゅるんと武具屋のカウンターに生えた目の空間は閉じる。


「ふぃー。失敗失敗」


エルは汗をぬぐう仕草をする。

汗など一滴もかいていないが。


「お前何してやがる?」


どうやらまたドミニクに背後をとられていたようだ。

気配を消すのが上手い。

カウンターの奥が工房になっているので背後をとられるのは当然と言えば当然だが。


「そりゃあ魔法の練習っすよ?」


「魔法の練習だぁ?あの悍ましい目を召喚するのがか?」


「いやいや!あれはちょっと間違っただけっすよ!

成功したら何もない空間に繋がってそこを物置に使えるっす!」


「あー。空間収納か。珍しいな?お前が魔法で使えないのは」


「そうなんっすよね~。昔っから苦手なんですよ。

どうやっても他の次元のヒト?がいるとこに繋がっちゃうんっすよ」


「確かにな。別の時空に物を置こうとしたらそこに先客がいる可能性はあるか」


「ですです!試しに物を無理やり置こうとしたら『痛い』って言われまして」


「目に物置かれたら痛いだろうよ。てかやんなよ。暴れられたらどうする気だったんだよ?」


「そりゃ目つぶしっすよ!どこを狙っても必中っすからね!」


シュッシュっとピースした状態の手で素振りをするのを呆れた顔で見てくるドミニク。


「それでお前はどんなイメージでやってるんだ?俺でも使える程度の魔法でそんなに躓く要素は無いと思うが?」


「えぇええええええ!!!!!旦那が使えるんっすか!?そんな馬鹿な!?」


思わず素振りを止めて目ん玉をひん剥いて驚く。


「そこまで驚くことでもねぇだろ。鉱石の仕入れとかに出来ないと面倒だからな。そんなに大容量でもないが使えるぜ?」


ぐぬぬ。ニヤニヤしたドヤ顔でむかつく。だが背に腹は代えられない。


「旦那!小生にご教授お願いするっす!ちなみにイメージは時空を切り裂いて他の時空に繋げるイメージっすね。そしたら何故かいろんな世界に繋がるんすよ」


「どう考えても原因はそこだろ!他の時空って自分で言っちまってるじゃねーか。そんなことをやってる方がこえーよ!

空間収納は今の時空の体の周りの空間を広げる魔法だぞ?別の時空に繋げてそこを物置にする魔法じゃねーよ」


「そうなんすか!?初耳なんすけど!」


「俺だってお前の魔法のイメージが初耳だよ!誰だよそんなの教えたやつは」


「え?我流っすよ?本読んだら書いてあったっす」


「また本の影響かよ・・・まぁいい。とりあえずさっき言ったイメージでやってみな?」


「了解っす!『収納』」


かざした手の周りの空間が歪み広がった。

これなら確かに魔力があればあるだけ広い空間を確保できることだろう。

手の周りというイメージだから移動しても同じ手の周りという前提なら出し入れが可能なことも納得だ。


「出来たっすね。簡単に。

・・・なんか納得いかないっすけどありがとうございましたっす」


「まぁ良かったじゃねぇか。これで重いモンの仕入れも任せられるな!」


笑顔で迫ってくるドミニクに一歩下がる。

ちくしょう!これが狙いだったか!

ドミニクの罠にかかったことに歯噛みをする。

イカン!このままではお仕事が増えてしまう!

視線を悟られぬように脱出口までの経路を計算する。

出口までの距離はドミニクもエルもほぼ同じ。

捕まる前に脱出して忘れるのを待つしかなかろう。

ならば足止めにこれしかあるまい!


『『『『収納』』』』!


指先を高速で動かし多重詠唱を行い

ドミニクの体の周りの空間をズタズタに裂く。

予想が正しければ・・・ここだ!


ガラガラ・・・

大小さまざまな雑多なものが降ってくる。

きっとドミニクの空間収納に入っていたものだろう。

そう、魔力の多さと魔力操作によるごり押しでドミニクの空間収納に穴をあけたのだ!

この隙に逃げさせてもらう!


「僕は定時なので先に帰らせてもらうっすよ!アディオース!」


「あ!おい!逃げんな!」


出口にダッシュし無事に店外まで逃げ切る。

当然だろう。ドミニクは木箱一個分くらいの雑多な私物が急に飛び出して来たのだ。

追いかけることも出来なかった。


「フハハハハハハ!どうだ!僕の勝ちだ!」


尚、翌日出勤した時に普通に怒られた。

そしてお仕事も増えた。

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鍛冶師と付与術師の日常 かにたまどん @kanitamadon

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