消さないで。あなたの中の灯火は連なり、いつしか輝くから

良い話である。
冒頭だけで、共感を得る読者は多いと思う。
書き出しは小説の玄関。
読者の気を惹く書き方ができているから、続きを読んでみようと思える。

文化とは語り継いでいくもの。
人生に生きる意味はないといわれるが、そんなことはない。
学んだことを誰かに与え、伝えるために生きている。
文化を残すことが、生きた証になるのだ。
教訓を伝え、仕事の勘所を教え、親となって子に語り継がせることで人ははじめて、生きている生かされると実感できるのではないか。
そんな当たり前なことを、本作は気づかせてくれる。