4 帰り道


「よし!帰ろうか!」

秀吾くんは、さっきとは大違いの晴れやかな笑みを浮かべ、そう言った。

「私達は話し合いをしてるから先帰っててちょうだい」

「わかった〜。」

私達子供は荷物をまとめ、ファミレスを出た。

「はぁ、急になんなんだよ。」

「それなすぎる。ガチで。勝手すぎだろ。」

急な離婚&再婚を決めた親達に文句を付けまくる。人生が狂ったと言っても大袈裟じゃないかもしれない。

「そうだ!お互いの呼び方決めようよ!」

確かに、忘れてたわ。ナイス、鈴ちゃん!

「じゃあ鈴は〜秀吾と玲吾はそのままで、冬羽ちゃんは冬羽で、夏帆ちゃんは夏帆ねぇとか?」

「いいんじゃない?」

私だけなんかお姉ちゃんって言われてるけど。冬羽には絶対に言われないからね。

「んー冬羽は、秀吾お兄ちゃん、玲吾お兄ちゃん、夏帆、鈴にしよーっと!」

いやなんで姉なはずの私が呼び捨てなのよ。マジで突っ込みどころ満載な家族ですねー。

「じゃ俺はそのまま。みんな元々呼び捨てだし。」

てかなんで元々玲吾は私の妹の冬羽を呼び捨てにしてんの。私は同クラだしわかるけどさ。

「じゃ次俺ねー!」

秀吾くんか、みんな呼び捨てでいいだろ。一応最年長だしね。

「まあ俺は1番年上だし、みんな呼び捨てでいいかな~?」

私と全く同じこと考えてるんだけど、もしかして…運命!?!?なわけないわ。

「おっけー。最後私か、めんどくさいからみんな呼び捨てでいーや。」

「めんどくさがりや(笑)」

「玲吾マジうっっざ」

「ふっ」

いやうざすぎて草(?)

「まあ決まってよかったな~。あ、俺月、水、木、土で部活あるからね。」

「そうなんだー。何部なの?」

ただ単に疑問に思ったのだ。運動部なんだろうな。完璧な偏見だけど。

「バスケだよ〜、一応スタメン。」

「ガチで!?!?!?秀吾く、あ秀吾の高校バスケベスト8とかだったよね!!」

いや本当に秀吾は絶対期待を裏切らないよね、なんか自信がつくよ。私、人の心読めるのかも…!みたいな?

「そうそう秀吾案外強いの」

「おい玲吾、案外ってなんだよ、案外って」

「いや事実でしょ」

「え、そう?不安になるんだけど。夏帆はどう思う?」

普通に名前呼びじゃん、慣れねー。てか玲吾にめちゃめちゃ共感してる。

「まあ、確かに。」

「弟と妹がひどい!!!」

まあ義理の妹ですがね。


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