第15話 魔法のナイフ
「真実の愛の話はまた今度お話しますね。それでは、じゃーん、竜也さん、これをどうぞ」
俺は、エスカーナに刀身が紫色のナイフを手渡された。
「なんだ、このナイフは?」
「これはモンスターの解体を自動で行ってくれる魔法のナイフです。スラッキーの
「分かった。やってみよう」
言われた通り、斬りつけると、青いブロックのようなものが出てきた。
「竜也はスラッキーのゼリーを手に入れた、なんちゃって……」
「なんか、弾力のあるゼリーのようだな」
「調べてみるとこんな感じですかね、『アナライズ』!!」
☆☆☆
素材 スラッキーのゼリー
ランク D
品質 A
説明
スラッキーの体内に含まれるゼリー。
☆☆☆
「ランクは入手難易度を表していて、品質が高いほど高額で取引されます。最高ランクはSになりますけど、このナイフは、斬るだけで簡単にAにしちゃうチートアイテムなんですよ」
解体といえば、血なまぐさいのを想像していたな。これは便利だ。
周囲を見渡すと、スラッキーの死骸だらけだ。普通に解体しようものなら、さすがに日が暮れてしまうだろうな。それでも、この数は面倒だ。よし、帰るか。
「だめですよぉ、これだけあれば半年ぐらいは遊べますから。宿屋でエロエロライフできるんですよ。だから、さっさと解体してください!! せっかくナイフをあげたんですから、さもないと刺しますよ?」
「ああ、わかった、わかった。さりげなく包丁だして、チクリと刺してくるな。痛いって!」
素材を売った金と追放されたときに出会った野盗共のおかげで半年間なにもせず、王都グランヘイルで豪遊することができたのだった。
そして――
しばらくして、俺が親父に頼んでいた、あるものが完成した。俺の目の前に置かれたのは、光輝くTシャツだ。
「ほれ、200Gのおつりだ」
「おい、たった、それだけなのか」
「当たり前だろう。1000Gは安いほうだぞ。これでも負けてやってんだ。まぁ、ただのTシャツに光の紋章を刻みこむ馬鹿はおめぇぐれぇだろうがな」
俺は、聖剣モードのエスカーナに視線を向けた。
『そうですね。普通に1500~2000Gはいくかと思いますよ』
光の紋章がないままダークナイトセットを装備すると、俺の姿がドラキュラになるらしいからな。
光の紋章を装備に刻み込むことで聖属性を付与することができる。本当はダークセットにつけれればいいのだが、エスカーナが言うには、
『ダークナイト装備は、闇属性ですから刻みこむのは無理ですね。それに光の紋章程度の聖力だと容姿を戻すだけで、精一杯かと思いますよ』
仕方ないか。ただのアバターに金をかけるなんて……
『ゲームじゃないんですから、必要なんです。重要なんです』
残り所持金は800Gか。あと何かいるものは……
『それなら、染料を買ってくださいよぉ、もう黒が切れちゃいました』
「…………」
どうしてだ?
『だって、私の姿を見てくださいよ』
聖剣エスカーナをよーく見ると、左右対称の羽、刀身も真っ黒だった。
そういえば……ダークナイトセットを手に入れたとき。
☆☆☆
『竜也さん、はやく帰ってエッチしましょうよぉ』
「まだだ、あとは黒い剣の魔物いるはずなんだ」
『だめですよぉ、ほら、見てください、これで、どうですかぁ? 』
エスカーナが、真っ黒に汚れてしまったようだ。
☆☆☆
こいつの心が、とうとう、汚れきって、真っ黒になったと、そう、思っていた。ついに、堕天したのかと思って見ないふりしてやったんだが。さすがに、面と向かって言うのも気が引けてな。
『そんなわけないじゃないですか、私ほど、愛を振りまく、清らかな天使はいないんですよ。上司からは、あまり働かないでね、ってよく言われましたけど、でも、聖剣の役目を与えられたときは……なぜか、泣いて喜んでましたけど』
ああ、もう、わかった、買えばいいんだろう。エスカーナの言う通り、アバターも重要かもしれないしな。聖剣もったダークナイトって……今思うとどうなんだ? 気にしないことにしよう。
「親父、黒の染料を売ってくれ」
「300Gだ」
「じゃ50Gで」
「何言ってんだ、クソガキ、負けても200Gだ」
「そうか、100Gでどうだ?」
「聞いてねぇだろう」
黒の染料を150Gで購入することができた。残金が650Gになってしまった。
名前 二階堂竜也
職業 外道勇者
善行値 0/999
悪行値 3010/9999
戦闘能力 270
攻撃力 324
魔力 324
防御力 270
速さ 270
装備
💀聖剣エスカーナ 黒ver
(黒くなったわたしを竜也さんのあれで真っ白にしてほしいよぉ)
☆シャツ 聖なる紋章付き
☆旅人の服
必殺
☆ホーリーブレイク
固定スキル メガネ
性剣
常時スキル
肉体強化LV2 攻撃力20%up
魔法強化LV2 魔法攻撃力20%up
雷耐性LV2 ダメージ20%減
光耐性吸収
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