外伝 ……くまさん

 わたしは、商人の娘でミリカと申します。父と一緒に、エスカの村に1週間ほど滞在し、食糧や雑貨などをおろしにきました。わたしも、たまにお手伝いします。


 1日目の朝


「ふぅあ~」


 鏡を覗くと紫色の瞳をぱちぱちさせて、ピンク色の髪を長く伸ばした少女が映っています。それは、わたしです。長い髪のせいか、寝ぐせがひどく、しっかりとかないとなおりません。今日は、いつものペンダントと誕生日に買ってもらった黒のワンピースを着て遊びに出かけようと思います。遊びに行く場所は、いつものあそこです。


 カーナ―の森に入ると、そこで一匹のペロペロ熊さんに出会ったのです。


 わたしは、熊さんの前に出て、スカートたくし上げました。


「……くまさん」


 わたしは、熊さんを呼びました。


 すると、わたしに気づいた熊さんは、、わたしのアソコに鼻を近づけて、くんくんと匂いを嗅きだしたのです。熊さんの荒々しい鼻息が何度も、アソコにあたってしまい、なんともいえない快感に襲われてしまったのです。


 そして、熊さんが、わたしを――


 立つこともできないぐらい、熊さんにアソコをなめられてしまったのです。ビクンビクンっと、身体が勝手に動いて止められません。わたしは、もう、これが、やみつきになって、やめられなくなってしまったのです。


 最終日――


「お前たちは、俺の敵だ。しねい!!」


「ぐぅまあああああああ!!」


 わたしの目の前で、くまさんが、くまさんたちが、男の人に殺されてしまったのです。


「あ、あの、どうして?」


「だめだぞ。君みたいな可愛い子が、こんな、危険な森で遊ぶだなんて、このクマ野郎なんかと……、いたぞ、ごらぁ、まだ、生き残りがいやがるのか、しねい!!」


「ぐぅまあああああああ!!」


『竜也さん、やりすぎですよ。このままだと絶滅危惧種ぜつめつきぐしゅにペロペロ熊さんが指定されてしまいますよ?』


「こいつと俺は、相容あいいれない、愛の勇者の俺よりも、もてるなんて、絶対に許せない。な、わかるだろう?」


『ぜんぜん、まったく、これぽっちも分かりませんよ、そもそも私だけいればいいじゃないですかぁ、あんなに激しく、私を愛してくれたじゃないですかぁ、もし浮気したら、本気モードで、竜也さんを殺して私も死にますよ?』


「お、おれは愛のゆうしゃだ、すべての……」


『えへへ、竜也さん、何かいいましたかぁ?』


「……はい、なにも言ってないです」


 こうしてカーナの森のペロペロ熊さんは、独り言をブツブツ呟く危ない人のせいで、いなくなってしまいました。

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