【ゲーム化希望 コンテスト用】トランプで戦闘力が決まる!?大富豪で革命を起こし、サバイバルを勝ち抜け!!

緑のキツネ

第1話

俺は……ニートだ。今年で30歳を迎えるのに。大学4年の時、沢山の会社の入社試験を受けたが、全て落ちてしまった。気づけば10社以上も受けていた。落ちる事が怖くなった俺は、入社試験を受けることを諦めた。親にニートになることを伝えると、泣きながら、


「いつか……絶対に仕事を始めなさいよ」


そう言われた。それから5年近くニートを続けている。生活費は毎月送られてくる仕送り10万円。そろそろニートを辞めないといけない。それは分かっているけど、何をすれば良いのか分からない。その苦悩から生まれるストレスを解消するために最近、パチンコに行き始めた。その結果、親にそれがバレて、怒られてしまった。


「あんたなんて死んでしまえ!!最低な息子だわ」


その言葉は俺の胸の深くまで突き刺さった。俺は……最低な息子なんだ。親孝行もせずに……。仕送りも無くなった俺は、1週間、もやし生活を送った。しかし、もう空腹も限界に来ていた。そんな僕に1通の手紙が届いた。





お金にお困りのあなたへ

明日の午前9時からトランプサバイバルバトルを始めます。52人と戦い合い、最後まで残り続けた人に1000万円をあげます。ぜひ、トランプの世界に来てみませんか?

天使のジョーカーより





その手紙を見た瞬間、ギャンブルの血が騒ぎ始めた。1000万円さえ手に入れば、俺は億万長者!!親孝行も出来るし、会社に勤めなくても良い。一生貴族の生活が出来るぞ。その裏には、




トランプの1から13までを綺麗に並べた時、ワープホールが開かれる。





そう書いてあった。その下には、並びの例が写真として貼られていた。俺は、持っていたトランプを手に持ち、マークごとにそれぞれ分けてから、上からスペード、ハート、ダイヤ、クラブの順番に1から13を綺麗に並べた。その瞬間、目の前にワープホールが広がった。その中に俺は、飛び込んだ。







ここはトランプ王国。4つの国が存在している。左上にあるのがハート宮殿。左下にあるのがスペード王国。右上にあるのがダイヤ街。右下にあるのがクラブ村。この4つの国をまとめてトランプ王国と言う。この国では、1年に1回住民の総入れ替えが行われる。その理由は、トランプを使ったサバイバルが年に1回おこなわれる。そのサバイバルが終わると、参加者は全員現実世界に帰らされる。そして、今日、新たに53人この世界にやってきた。1000万円を獲得するために。





「大丈夫ですか?」


可愛らしい声が聞こえてくる。俺は、その声で目を覚ました。そこは真っ暗な地下みたいな場所だった。俺の隣に座っている女の人がいた。どこかで見た事があるような顔だった。


「起こしてくれてありがとうございます。あなた……どこかで見た事があるような……」


「私は真野麻里亜です。あなたは、太田君ですよね?同じ大学に通っていた……」


その瞬間、大学での記憶が蘇った。彼女は、同じ大学で同じクラスにいた子だ。俺はずっと片思いをしていたけど、俺の友達が先に付き合ってしまい、全てを忘れようとしていた。やっと忘れたと思ったのに。心臓の音が早くなる。


「何で麻里亜さんが……ここにいるの?」


「私の両親が死んでしまって……お金がどこにあるか分からないの。だから貧乏な生活を送っているの」


俺達は、これからサバイバルに参加するのか。漸くここにいる理由を思い出した。


「みなさん、こんにちは」


突然、どこからか声が聞こえてくる。


「私は、このゲームの主催者であるジョーカーです。今回はトランプサバイバルにようこそ。これからルールを説明します。今からあなた達には、目の前にある箱から1枚、トランプを引いてもらいます」


目の前に突如、現れた大きな箱。みんな、次々に箱の中に手を入れ、トランプを1枚取っていった。


「私達も早く行かないと……」


「うん」


俺たちも急いで、その箱に向かい、箱の中に手を入れ、トランプを1枚掴んだ。俺の引いたトランプは、スペードの3。真里亞が引いたのは、ハートの13だった。


「まず、職業を割り当てます。スペードを引いた者は、剣士です。1を引いた者はレベル10。2を引いた者はレベル20となり、10を引いた者はレベル100となります。11以降は後で話します。ハートを引いた者は、魔法使いです。レベルは剣士と同様です。ダイヤを引いた者は、商人です。1を引いた者は1万円。2を引いた者は2万円。10を引いた者には10万円と言う感じで最初に貰えます。それらを使って物を買い、売ってください。中には高額で売れる物もあります。お金を稼いで、武器を買って戦ってください。最後にクラブを引いた者は、農家です。商人と同様にお金を稼いで、武器を買ってもらいます。1を引いた者には、10個作物ができる畑。2を引いた者には、20個作物ができる畑を。10を引いた者には100個作物ができる畑を渡します。この世界の作物は1時間で出来ます。そして、11.12.13を引いた者には各王国に存在する城に住んでもらいます。13を引いた者が国王であり、11.12はその国王を守ってもらいます。ここまでが主なルール説明です」


「結局、運ゲーかよ……」


俺は独り言を呟いた。


「運ゲーではありません。1.2.3を引いた者にもチャンスはあります」


「どういう事だよ!!」


「国王が持っているイベントカードを奪う事ができれば、勢力図が大きく変わります。そのイベントカードは、大富豪、51、革命、シークレットの4つです。そのカードに国王以外が触れる事でルールが適用されます。大富豪カードは、2が最強で3が最弱の世界。2を持つ者が国王になります。51は、11.12.13が10になり、1を持つ者が国王になる。そして、最後の革命カードは、大富豪カードが適用されている時のみ存在するカード。このカードに触れると、大富豪のルールが逆転し、3を持つ者が国王になる。そして、最後のシークレットカードに触れるとどうなるかはその時のお楽しみだ。つまり、どこかの国王が持つイベントカードに触れる事が出来れば、逆転のチャンスはあると言う事だ。チームを組んで挑んでもいいし、不利になると思えば、国王たちに協力するのも有り。自分で作戦を考え、生き残れ。それではバトル開始!!」


俺が勝ち抜くには……。大富豪のルールを適用し、革命を起こす事ができれば、最強になる。




そして、俺が転送された場所は、スペード王国。これからサバイバルバトルが始まる。

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