第9話 巡礼の旅に出発ですわ!!

巡礼を始めた私達の前に、神は早速試練を齎しましたわ。


「「「「「「「「「「「ギャッギャッギャッギャ!!」」」」」」」」」」」」


「ゴッゴブリンだぁぁぁぁぁぁ!ゴブリンの集団だぁぁぁぁぁぁっ!!」


「女性を隊列の真ん中に!!男だけで守るぞ!!」


「くっそ!!こいつら武器持ってやがる!!刃物を持った奴に注意しろ!!」


ゆっくりと目的の湖に向けて歩き出した私達の前に、今まで見た事のない規模のゴブリンの集団が現れましたの。それも一回り大きな体を持つゴブリンが率いている集団。恐らくあれはホブゴブリンと呼ばれる物。ゴブリンよりも凶悪で、そして狡猾な魔物ですわ。


「お嬢様も中にお入りください。」


「そうだぜお嬢。数は俺達の倍くらい居る。守り切れるか分からねぇ。」


「いいえ、逃げませんわ。これも使徒様の試練ですもの。」


「「お嬢(様)!!」」


これからも形を変えて私達の前にはこのような試練が数多く訪れるでしょう。その度に守られるのでは巡礼に出た意味が在りません。私も使徒様の第1傍仕え(勝手にそう思ている)として威光を示さねば!!


「恐れる事は無いのです!!女性も協力すれば楽に戦えるはずですわ!!私達を囮にして、襲い掛かる者を打倒しなさい!!そこに女性も加わり、女性からも反撃されるのだと教え込むのです!!守られ怯えるだけの時はすでに終わりました!!私達も立ち上がる時なのです!!」


「さすが教主様だ。」


「俺達の方で女性が連れ去られない様に気を付ければ良いだけか。」


「私達もやります!!そのために巡礼に来たんですから!!」


「ゴブリンなんか怖くないわよ!!股間を蹴り上げてやる!!」


女性と男性の割合は半々です。だとしてもこちらの100人に対して向こうは200。かなり厳しい戦いとなるでしょう。ですがやるしかありません!!試練を突破すれば使徒様に会えるのですから!!


「やりますわよ!!」


「「「「「「「はい!!」」」」」」」


「男も負けてられねぇぞ!!戦い慣れてないはずだから注意してやれ!!」


「「「「「「おう!!」」」」」」」


「「「「「「「「「「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」」」」」」」」」」


戦いは苛烈を極めましたわ。ですが、女性を優先的に狙うゴブリンは傍に控える男性信者に横やりを入れられ、いらだった所を女性信者に打倒されています。まさか女性に反撃されるとは思っても居なかったのか、ゴブリン達の驚愕した顔が見られました。


「お嬢様、このままではまずいです。」


「何かありましたの?」


「森から敵の援軍です。その数ゴブリン300体。」


「まぁ!!何てこと!?」


ゴブリンの背は小さいですし、体もそこまで強くありません。ですから今まで耐えられましたが、数で圧倒されればどうしようも無くなりますわ。すこし試練が重たすぎると神様に文句を言いたいですわ。


「お嬢!!隊列を崩されたら終わりでさぁ!!いったん固まりやしょう!!」


「そうですわね!!全員一旦集まりますわよ!!」


「げっぎゃっぎゃっぎゃっぎゃ!」


体の大きなゴブリンが仲間を倒されてもじっと様子を見ていたのはこれが在ったからなのですわね。私達が慌てて集まるのを笑いながら見ていますわ。


「げぎゃーーーーっ!!」

「「「「「「「「「ぎゃーっ!!」」」」」」」」


「来ますわよ!!」


体の大きなゴブリンが私達に向かって指を指します。残っていたゴブリンと、森から出て来ていたゴブリン達はその鳴き声に反応して一目散にこちらに走って来ますわ。


私達はどうにかこの窮地を脱しようと手に持った杖に力を籠めます。こうなるのでしたら剣の1つでも持ってくるべきでしたわ。


「きゅあーーーーっ!!」


駆けてきたゴブリンが、涎を垂らしながら私達に飛び掛かってこようとした瞬間、森の方から別の声が上がりましたわ。どこかかわいらしい鳴き声が聞こえたと思えば、森の方からピンク色の波が押し寄せてきています。


「きゅっきゅあーーーーっ!!」

「「「「「「「きゅあきゅあー♡」」」」」」」」」


「ぐぎゃ?」

「「「「「「「「「「「ぎゃーーーーーっ!?」」」」」」」」」」」


ピンク色の波をよく見るとそれは人の少女・・・に見える魔物でしたわ。よく見ると肌もピンク色をしていましたわ。瞳の色もピンク何て人には居ませんもの。


ただ、その発達途上の体を隠さずにさらしている姿は・・・・。一部の男性に突き刺さったみたいですわ。周りの女性から罵られながら蹴られていますけども。


そしてその少女達は次々にゴブリンに襲い掛かり・・・・。これ以上はちょっと私の口からは・・・・。


「すげぇ・・・。あの性欲の化け物で知られるゴブリンが・・・。」


「ひでぇ・・・・。干からびてやがる・・・・。」


「見た目が可愛いからちょっと良いかなぁと思ったけど無理だ。絶対同じ運命を辿る。」


男性の方達の反応で判断して下さいまし。女性の方も何やら興味津々で見ている方々が居ますわね。意中の方でもいらっしゃったのでしょうか?それともこれからの予習かしら?


あっけに取られて動けない私達の前でピンクの少女にドンドンゴブリンが食べられていきます。(意味深)


そして森の中から一番体の大きな個体の少女が現れ、どうやらゴブリンの指揮をしていた個体に目を付けたみたいですわね。辺りを見回した後にバッチリとロックオンしていましたもの。14歳くらいの体で半裸なのはどうかと思いますわ・・・・。


「きゅ~あ~♪」

「げぎゃ!!げぎゃぎゃ!!げぎゃ?ぎゃぎゃぎゃ♪」


ドンドンと数を減らすゴブリン達に何やら叫びながら焦っていた体の大きなゴブリン・・・面倒くさいですわね。ホブゴブリンと呼びましょう。あのピンクの方はゴブリンを襲う雌という意味でゴブリナにしましょう。


ホブゴブリンが自分に向かって来るゴブリナを見てニヤニヤと笑っています。この方は周りの様子が見えていなかったのでしょうか?私達はその先の未来を予見して哀れみの目をホブゴブリンに向けましたわ。


「可哀そうになぁ・・・。」


「男として終わるんじゃねぇかなぁ・・・。」


「どんな襲い方をするのでしょう?」


「参考にしないとですね。意中の殿方を手に入れる為に!!」


男性は心から同情する様に、女性は憐れみと自身の目的の為の知識としてじっと2匹の接近を観察します。あぁ!ゴブリナが飛び掛かりました!!


「ぎゃ!?ぎゃぎゃぎゃ♪ぎゃー、ぎゃー?ぎゃ!?・・ぎゃ・・・・・ぎゃ・・・・・・ぎ・・・・・・。」

「きゅあ♪きゅあきゅあ♪きゅきゅきゅきゅきゅあ~~~~~♡」


その攻防は激しい物でしたわ。いつしか私達はその生命の営みに魅了されて唯じっと、生命の神秘を眺めるだけになっていましたわ。


何処で覚えたのかあの手この手でホブゴブリンを快楽に導くゴブリナ。最初は余裕そうだったホブゴブリンがいつしか恍惚の表情をし始め・・・・。最後には骨と皮になりましたわ。


「「「「「「「「哀れな・・・・・・。」」」」」」」」


「「「「「「「「きゃー!!大胆!!」」」」」」」


「きゅあ♡」


唇を舌で舐めながらゴブリナは立ち上がりましたわ。そして周りに居たゴブリナ達が一斉にこちらを向きました。


「「「「「「「ひっ!?」」」」」」」」


「大丈夫ですわよ。理性的な目をしていますわ。」


一気に視線を向けられた男性陣が股間を隠して女性の後ろに隠れました。あんな光景を見たらそうなるのも仕方ありませんが・・・。気が付いているのでしょうか?隠れた女性の何人かが先ほどのホブゴブリンと同じ目をしている事に・・・・。


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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