声を綴り、消す

「いってきまーす」




今日も朝日が眩しい、憂鬱な足を動かして駅へ向かう。



私は田中 綴。高校の芸術コースに通っている一年生だ。


学校の勉強が桁違いすぎて、ついていけない。

絵だって一番下手だ。

しかも友達もいない。



学校なんて行きたくない。行く意味ない。死にたい。


いつも一人だ。



スマートフォンでいつも愚痴を書いては、消している。


つまり私の人生、意味なし、消したほうがいいってこと。



通り過ぎていく、母親と手を繋いで歩く幼稚園児。Jkの集団。弁当袋を嬉しそうに持つ会社員。 幸せそうに笑っている。



さぞかし、生きるのが容易いんだろうな。


私だって、こんな家庭に生まれなければ、

このようなことは考えなかっただろう。




私の親は、暴力的だった。


離婚、飲酒、暴力、金。


嫌な幼少期を今も過ごしている。




いつもどおり。いつもどおりの朝だ。


学校についた。すぐ自分で消してしまう一日が始まる。

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