第4話 夕陽に向かって走れ!

お金を手に入れたけど、私、妖怪に近いギリギリ神様。いまんとこ特に使い道が無い。

むしろ、神としての能力を無駄遣いしたせいで霊力が枯渇しそう。

トラックの燃料計の針がレッドゾーンに突入しそう。

ど、どどど、どげんかせんといかん。

ほこらまつられていた「牛馬ぎゅうばの霊」が私の中にいるので、なんとなくわかる。

「敬意」「尊敬」「感謝」「畏怖いふ」などの気持ちや、祭礼などの「儀式」で霊パワーはチャージされる。

…牛馬の霊は「家畜」。廃車の付喪神は「人間の道具」。私は「社畜」。

なんか、隷属体質のマゾ神様っぽい仕上がりじゃね?

よわそう…。

なんとか神として信仰を集めねば…どうすりゃいいのか全然わからん。

だって私ただの社畜だし。

とりあえずコンビニで情報収集かな。

早速ゴーストドライバーちゃんに憑依して、自動扉を通って入店!実体のあるアバターだから、ちゃんと自動ドアが作動してくれる。うん有能。

らっしゃーせー!コンビニバイト時代を思い出すなぁ。

まずは雑誌購入かな。地図と…お、いいのありますよ。「図説!世界のオカルト」「特装版わかりやすい日本神道」を購入。

店員さんにも不審には思われてない。上等上等!

あとで読んでみるとして…


ゴーストドライバーちゃんの体、トラック本体から20m以上離れても問題なく動作してるっぽい。感覚の共有もカンペキ。良かった!接近パワー型じゃなかったっぽい。

社畜の私が地縛霊を経て神となりトラックになった激動の一日ももう暮れる。

赤い夕陽が私の心を癒す…ヨシ!今夜は読書の時間だ!アジトに帰るぜ!夕陽に向かって走れ!GOGO!ゴーストドライバーちゃん!


***

脚注 「ゴーストドライバーちゃん」

本作主人公。

死んでから頑張るタイプ。

体は泥で作られているため、ちょっと土臭い。

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