11 新しい仲間

「ジャン! あなたって、ほんとうてんさいだったんだ!」


 ローザがおおよろこびしている。そのこえで、シグマはました。

 けいると、あさちょうど。

 なんをして、それからやっと、シグマはソファからからだこした。


 と、どうに――。


 ほんあしち、まるいりょういろひかり宿やどしたジュズまる姿すがたを、シグマはかくにんした。


「へえぇ! ちゃんとなおってるじゃないか!」

 いっめた。「あれ……でもなんか……ふとってないか、ジュズまるのやつ?」

 ロボットがあいとはいえ、シグマはデリカシーのないことをってしまった。

 そこははんせいするけれど、ほんとうふとったようにしかえなかったのだ。


 ジュズまるはスリムなたいけいだったのに、いまはうでまえばいくらいはあるぞ。

 あしは……まえとくらべてさんばいくらいはふとい。なんでだ?


 こたえはすぐにわかった。


 ジュズまるうであしに、ぶあついこうてつきょうされているからだ。

 せつだんされていたじょうはんしんはんしんは、パイプやチェーンでつなぎ、リベットとうらしいネジのようなひんからだのあちこちにちこまれている。くびれいにくっついていた。


「こうするしか、なかったんだよ」

 ジャンはてつけらしい。「ひんりなくて……」とこたえながら、まぶたをこすっていた。

「ジュズまるあしのパーツから使つかえそうなひんって、そのひんわせて……だけどそうすると、こんひんったしょをどうにかするひつようがあるだろ?」


「うん……まあ、そうなんだろうな」と、シグマはあいづちをった。


「そこで、ありわせのざい使つかって、ジュズまるあしのパーツをきょうしたのさ。そのけっふとっちゃった」


「まあ、とにかく、ジュズまるはなおったんだろ。ってことは――」

 シグマはローザをた。「ハヤトのつるぎかえすんだっけ?」

 ジュズまるがなおるまでのレンタルだったはずだ。


「あとすこしだけしてあげる」

 ローザはまえのいいことをった。


「え――ほんとに?」シグマのかがやいた。「ほんとに、ほんとか?」


ようもりには、シグマもいっしょにってくれるんでしょ?」

とうぜんだろ。ローザひとりじゃあぶないし、もりになにがあるのか、になるしな」

もりには……」と、ローザがなにかいかけたときだった。


 ジュズまるがガシャン、ガシャンとおとてながら、シグマにかってくる。

 ジュズまるはシグマのまえまると、くすんだくろしだしてきた。

 あくしゅもとめているらしい。


「へえ、しんなんだな、ジュズまるは。このまえは……ぷたつにしてごめんよ」


 ジュズまるでんきゅうのようにチカチカとりょうてんめつさせた。

 それからくびよこにふる。にするな、とってくれたようだ。

 よかった……。シグマはホッとした。

 からだぷたつにされたのに、ジュズまるはいいやつすぎるよ! 

 シグマはほほむと、ジュズまるとしっかりあくしゅした。


「おれは、シグマ・ノルニル! プロのぼうけんだ。ジュズまる、よろしくな!」


 ジュズまるなかになった。



 ――だいさんへつづく

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