第8話 久し振りに胸を触られる

 3年生の新学期が始まって、わたしと和馬の噂が広まっていた。クラスの女子からは後ろ指を指され、男子からは茶化され、和馬もきっと同じ目に遭っているのだろうと心が痛かった。隠し立てする必要もなく、いっその事交際を認めようと思い、亜季と千晴にまず打ち明けた。

「本当だったんだね。いいんじゃないの、桜庭君は真面目そうだし、夏奈に似合ってるよ」と亜季。

「夏奈が男子に関心があったなんて、びっくりだよ。それで、どこまで行ってるの?」と千晴。

「どこまでって?」ととぼけながら、この先をどう進んだら良いのかを質問した。すると亜季が、

「前にも話したでしょ!恋愛にはABCがあって、Aがキスでしょ、Bがペッティング」と言うと、

「Cがセックスだよね」と千晴が恥ずかし気もなく言葉にした。

 中学生のわたしが和馬とセックスをしている姿は想像できず、Bまでならばできそうだと考えていた。


 夏奈と和馬はキスの新しい楽しみを知り、春休みの間に秘密の行為に勤しんでいた。家の行き来も再開して、さらなる喜びを求めて模索していた。二人のキスは回数を重ねるごとに、口の中で舌を絡め合ったりまさぐったりと濃厚なものに変わっていたが、抱き合ったり体を触り合ったりすることはなかった。


 夏奈はキスをすると必ず舌を絡めてきて、ぼくもそれに応えて口の中を舌でかき回した。そうすると夏奈の力は抜けて鼻息が荒くなり、唾があふれ出してよだれが垂れそうになる。

夏奈のおっぱいに久し振りに触った。夏の時には物言いを付けられたが、今回は待っていたかのように素直に応じてくれた。夏奈は細身で痩せているけれど、女の子の体の柔らかさに興奮した。直接触ってみたい、見てみたい欲求に駆られたが、折角の雰囲気を壊しそうで勇気が出なかった。


 その日はそれだけでは飽き足らず、和馬の手が夏奈の胸に触れていた。夏奈が抵抗する素振りはなく、ニットセーターの上からではあったが、和馬は暗黙の了解の元にその感触を楽しんでいた。夏奈はキスに夢中になっている振りをして、和馬に身を委ねていた。


 頭の中がふわふわとして気持ちが良く、これはキスだけの時とは違う感じだ。和馬におっぱいを触られているからで、セーターの上からではもどかしく、もっと近くに和馬の手を感じたい。かと言って、自分からセーターを脱いで求めるのは恥ずかしく、このまま彼の手の動きに任せる事にした。

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