第13話【待ち合わせ】

斎藤さんの家までは5分程度。

電車の時間を考えたらまだ少し余裕がある。

待たせるのは気が引けるし、何より気持ちが浮かれている。

斎藤さんに会うことが楽しみなのだろうか。

こっちに越してきて出来た友達のようなものだからだろうか、他人よりはもちろん、

心を許している。

考えながら進めた歩みは思うより早く、ずっと素直に斎藤さんに向かっていたようだ。


見えてきた看板あたりに人影が見える、斎藤さんだ。

何やら妹さんも一緒にいるようだ。


「お姉ちゃん、なんで家の前で立ってるの?」

「な、なんでもいいでしょ!早く学校行きなよ!遅れるよ!!」

「怪しい・・・お姉ちゃんが行くまではここで付き合おっかなぁ。」

「いや、いいから!お姉ちゃんももう行くから!」


斎藤さんが家の前で立っている。

どうやら待たせてしまったようだ。

俺は駆け寄り声をかけた。

「おはようございます!お待たせしました!」

「ひゃい!」

「あ!西野さん!そういうことか~、お母さんに連絡しとこ~!じゃあ、お姉ちゃん、西野さん!行ってらっしゃい!私も行ってきま~す!」

「行ってらっしゃい。」

「・・・行ってらっしゃい・・・」

斎藤さんは少し般若になっている。

俺が待たせたせいだろうか。

「すいません、お待たせしてしまって。」

「ううん!私が早く家を出てたから!待ってないよ!」

優しいな、でも次からはもう少し早く来るようにしよう。

次?約束はしていないが、一緒に通勤できるのは嬉しい。


「じゃあ行きましょうか。」

「うん。」

「あの、良かったら明日からも時間が合えば一緒に行きませんか。」

「へ?」

「いや、一緒に行けたら嬉しいなとおも・・・」

「い、行く!一緒に!」

「ははっ、じゃあそうしましょう。」


明日からも一緒に通勤する約束をして、駅に向かって歩いた。

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更新が遅くなり申し訳ありません。

週1は更新できるように努めて参ります。

よろしくお願いいたします。

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