第7話  保護猫 No.1

 結局居座る事になったNo.6、茶トラの仔猫だが中々なヤンチャ振り。

 名前も決まり「こたろう」と命名されました、でも、その名で呼ばれるのは病院に行った時位…、普段は其の名で呼ばれず「こたつ」と呼ばれています。


 命名者は「ヤマト」の飼い主、初面接に行く道中爆睡して居た娘…、今だ語り草になってます。


 何故その名になったのか?、勘の良い方は判りますよね、某漫画に出て居りますあの猫です。

 覚えてます?、あの姿に為る前の仔猫の時に身勝手な飼い主の人間にされた事を…。


 寒空の下、家に帰ると飼い主に邪見にされ表に放り出されて、あったかい所に居る夢を見ながら旅立ったんでしたね…。


 そうですね、母猫が育て切れずに当家に置いて行かれた者、確かにそうなんですが、トイレ使えて離乳の餌を食べれなかったんですが柔らかい白米食べたらしいです、そうですね何方かのお宅に通って居たか餌を貰った形跡が在る、身勝手ですよね多分汚くて風邪引いてるから親と共に出されたんでしょうね…。


 話が逸れました、もう随分前長女が生まれる前の事、モドキが近所に響く小さな泣き声を辿ったらしいです、散々彼方此方見て来ても見つからずでも時々鳴き声がする、二日ほどすると更にか細く為り、鳴く間隔も随分長く為っていた様で夜間は鳴かず昼間だけ鳴いて何処かに潜んで居たんでしょうね、置いてきぼり嫌親が見放したのかも知れませんね。


 22時回った頃自販機へ飲み物をと思い表に出たんですが、確かに耳にした小さな声、でも直ぐにしなく為る、此の声の事か?、回りにも見当たらない、当初の目的の自販機に向かい目的を達成し戻ろうとすると何かが付いて来る、小さな毛玉のみたらし団子の二玉が…。


 唯、猫の唸り声も成猫の威嚇する声も聞こえる、消え入りそうな小さな声で鳴きながら追って来るんです小さな毛玉が、立ち止まると歩みも止まる、歩き出すと追って来る。


 其れを繰り返す、でも少しずつ距離が縮まり五、六回目位だったか立ち止まった時に駆け寄って来て必死に足元で鳴き始める、確かに周りで猫の唸り声も聞こえるから寄って来ただけかもしれません、溜息が出ました…。


 其の時は貸家住まい、勿論ペットは‥‥、「こたつ」と同じ位か少し小さい位の仔猫、違って居たのは瘦せ細って居たが眼はパッチリと開き、綺麗な毛並みでフワフワ何処かで飼われて居たのか?、其れとも親猫が面倒見て居たのか?、そんな感じでした。


 溜息が出ました、何で俺なんだ…。

「如何して俺に寄って来る?、駅からの帰り道で他にも人間が居ただろうし…」


 しゃがんで手を出すと恐る恐る近寄って来た逃げ出さずに、抱き上げても暴れずに大人しくして居る、俺の片手の掌に乗って仕舞う大きさ、羽のように軽かった、可愛い顔して鳴き始める近所迷惑になる位大きな声で…。


 諦めました、親猫か飼い主に見捨てられたのか其れとも何処かから子供が拾って親に怒られ置いて行ったかの何れかで有るし、猫の唸り声も続いてるエアコンの室外機の上、塀の陰視認出来ただけでも三匹居る、数匹は見かけた仔猫も居たが威嚇されてはいなかった此の猫は此の付近の猫では無いんだろうな…。


 何でなんだろうな、何で俺なんだ…。

 少し昔を思い出していた、こんな風について来た者が居た事を…。


 しょうが無い其の侭抱いて連れ帰り玄関を開けた、此れが初めて飼った猫お腹だけが真っ白だった茶トラの仔猫。


 モドキが天涯孤独に為る迄は常に猫の居る生活を送って居たから手慣れた物、家に有る物で仔猫に上げられる物を手早く与えていた、翌日に買い揃える物をメモして渡される…、そんな土曜日の夜、翌日は日曜そう休み、此れで俺の休みは潰れたが。


「痩せてるけど健康状態に問題無さそう💗」

 モドキの言葉、仔猫抱き上げ御満悦と言った所か、メモされた物見て溜息が出る俺が是全部買い揃えるのか?、如何やって運ぶんだ此れ?。


 残念乍ら此の時足に為る物が全く無い、車は愚かバイクさえ…。

 歩きでホームセンターまで行って、持って帰るのか俺一人で…。


 <DT>が有れば荷を乗せ二往復すれば間に合うのに、片道三分在れば辿り着けるのに、そう思っても如何にも為らんか、モドキは俺のバイクに乗せた事が無い、移動は電車とバス其れで困らぬ所に居た頃の話だ。


 話が又逸れた、仔猫の毛並みが良かったのは直ぐに解った、自分のケアは自分で出来た親猫に教わったんだろう、そして自分を落ち着行ける為にずっとグルーミングして居たのだろうから。


 頭は良かった、トイレと餌の場所は直ぐに覚えて手間要らず、お気に入りのベランダに出しても全く逃げださず、後に生まれる長女のベビーベットに常に寄り添い、おむつもミルクも知らせに来る、完全に世話焼きお姉ちゃんモード、時々自分でした固形物でサッカーをする以外は。


 名前は<ミルク>真っ白だったお腹の色が起源、大きく為りお腹迄茶トラに為って仕舞ったが、ずっとお姉ちゃんの侭、後に来るNo・2の面倒も良く見ていた、性格も良くタヌキみたいな太く短い尻尾が特徴、居なくなって随分経つが同じ柄の<こたつ>見ると時々思い出す、世話焼きで最期までお姉ちゃんで通した賢い美人な猫の事を…。



 申し訳御座いません、写真が見つかりませんので今回はお見せ出来ませんが、見つかり次第近況に上げたいと思います、柄こそ違いますがそっくりですよNo4に、尻尾の特徴迄…。

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