第6話  保護猫 No.6?

 全く書く予定がなかった此の話なんだが、又書く事に為って仕舞う事に為るとは…。


 仕事を終え自宅に帰還したカビゴンなのだが、玄関を開け何か嫌な予感がする、カビゴンの帰宅に全くの無反応、特に報告は無かったのだが何か嫌な予感がする…。


 玄関を通り続きリビングの引き戸の手を掛けようとした時に気付く。


 本来なら玄関に入った時に気付くだろうが、残念ながら若かりし日に事故にて受傷した事の為と年齢が輪を掛けて高い音が聴こえ辛くなって居る、勿論バイクの事故じゃ無く罰当たりな事した時の物。<メインの作品の初期の方に出て来る事故です>


 そう仔猫の甲高い声、鳴き続けて居た様だが俺の耳では聞き取れず、ドアに手を掛けた時に漸く聞こえてくる声に気付く、「ミー」とか細く鳴く声に…。


 頭が痛い、つい此の間No.5の手術が終ったばかり、又増えていた其処には茶色い毛玉が転がって居る?、違うか例えて言うなら二玉のみたらし団子が在ると言えば良いのか…。


「如何したんだ其の仔猫?」

「お母さんに捨てられたみたいなの…」

「如何して解るんだ?」

「お迎えに来なかったの…」

「そうか…」

 未だ一週間は立って居ない、其の頃に聞いて居た話が有る。


「家の玄関の前に親猫と仔猫が居たの三毛の親とチャトラの仔猫、仔猫は顔と体が汚れてて左目は瘡蓋みたいに為って開いて無かったの」

「其れで如何したんだ其の時?」

「ちゃんと連れて帰らなきゃだめだよって言ったんだけど…」

「連れて帰ったんだろ?」

「何度もこっちを見ながら帰って行ったよ、置いて行きたかったのかな…」

 其の時の仔猫に間違い無いのか…、もう二匹仔猫を連れて居るらしいが、一回り小さくて親猫が家の駐車場に置いて行った、未だ明るい内は我慢して暗く為っても迎えは無く置き去り、悲しげな鳴声を聴くに耐えず連れて来たと言って居る…。


 正直頭が痛い何でこう上手く行かないのかと…、地域猫が既に飽和状態に近い、しかも未だ増えそうな為、調べて在るボランティア団体で去勢、避妊をして天寿全うさせる活動を行っていると聞き調べたが個人の受付をして居らず公的機関からの依頼のみと為る、其れで気落ちして居たのだが…。


 先週の金曜勿論仕事中、在るお客様宅へ到着して仕事を始めたが、近所の家に人集りが在り、何やら騒いて居るがにこやかな雰囲気、お客様に尋ねて見ると地域猫の去勢、避妊をして居ると申される、そう其の団体の方達…。


 昼前最後の作業を終え、声を掛け代表者の方の話しを伺う、団体のハイエースバン、其の場で設備の整ったバンの中で手術が行われて居る、医師もボランティアで遠く中部地方から来られて居る、個人では受付出来無いが自治会等を通しては可能と伺ったばかりなのに…。


 狙った様に其の場に行くとは、使命、嫌、天罰なのかも知れないな…、でも進展もあり現状を確認にその方がいらっしゃると申される、此れで多少でも改善されると良いのだが…。

 

 そう思った矢先にこんな事に為ろうとは、何れ書く事になると思う別の個体にそっくりな姿、夜に自販機迄行った時鳴き声と供に俺に付いて来た同じ柄の個体、近くで鳴いてる声は聴こえていたがモドキが探しに行っても見つからず、夜に俺が飲み物を買いに出た時に何処からとも無く付いて来て足元で鳴き始める。


 自販機を後にしたが、付いて来て居座って仕舞ったフワフワの茶色の毛玉が居たもう30年以上昔の話しだが…。


 顔は汚れているが一度洗っていると聞く、其れでもこの状態らしい、これ以上洗うのは猫風邪を引いているから今は無理、更に離乳して無いから柔らかくしても固形の餌は無理の様で、明日仔猫用ミルクを買いに行く事に為る…。


 苛める様に見えるのか?、買って来たミルクを飲ませて怒られる。

「可哀想でしょ!、何虐めてるの!」

「ミルク飲ませてるだけだろ!」

「虐めてる様にしか見え無い!」

「俺の手じゃこれ以上は無理!」


 そんな遣り取りを知ってか知らずか手の中で眠り始める、取り敢えずお腹は膨れたらしい、後は体力が回復して風邪が治れば良いのだが。


 次の日には塞がれた左眼、上手く開か無かった右眼も目薬が効いて丸い眼が覗いてる、此の侭元気に成れば良いのだが。


 未だ途中経過の報告しか出来ません、もう少し回復してから病院へ連れて行く事に為ると思いますが、取り敢えずモドキの後を付いて行く位にはなってます、また家族が増えそうです、男の子の可能性が高いので余り気乗りがしないのですが……。


 どうもモドキ達が放しそうに無く、しかも別に暮して居る一番上のモドキ迄見に来るし…、もう決定事項なのか此れは?、何時まで経ってもカビゴンの地位は猫以下の儘の様です…。




 近況に載せて置きます、宜しかったら御覧下さい。

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