第4話 冒険者登録

1人だけ別部屋で過ごしている。


クラスの皆は大広間で今後の事の説明を受けて...その後は歓迎会をするそうだ。


僕は、まぁ歓迎されないだろうな?



しかし、あの女神は凄く気になる事を言っていた。



《死んだらその魂だけは元の世界に戻します...約束します》


つまり、僕以外の魂は元の世界には帰れない。


死んだ後...クラスの皆はもう家族や友人に会えないそう言う事だ。


良いのか? あいつ等...まぁ僕には関係ない。



ようやく騎士の様な人と神官の様な女性が現れた。


「少し、お聞きしたい事があります...何故貴方には女神の祝福であるジョブやスキルが無いのでしょうか?」


詳しい事情について話した。


「それは弱りましたね、この国アレフロードは女神イシュタス様を信仰する一神教なのです! その為、他の神を信仰する事は大罪なのです」


「僕は来たくて来た訳じゃありません! それに他の皆も違う神を信仰しています」


「それは本当ですか? それなら何故、他の皆さんには祝福の証たるジョブやスキルがあるのでしょうか?」


「くれると言うから貰っただけだと思いますよ? 後で聞いてみては如何ですか?」



この話が後で大変な話になるとはこの時の僕は思ってもいなかった。



「そうですか! それは後で調べます、それで貴方の事ですが、確かに何かの間違いで呼び込まれたのはこちらの落ち度と言えます...だから貴方には身分証明書と1か月分の生活費を渡しましょう...」



「それでどうすれば良いのでしょうか?」


「冒険者ギルドでまず登録しなさい! 冒険者なら他国の者の滞在も可能、証明書に日本人と記載されますので他国の人として扱い滞在も可能になります、ただそれでも住みにくいのも確かなので、多宗教の国、帝国へでも行かれては如何でしょうか?」



これは、僕が読んだ事がある、小説よりは余程良い判断をしてくれている。


これ以上の待遇は無理だろう。



「有難うございます、それでは準備ができ次第、僕は立ち去ります...それで良いですか?」



「貴方の事情は解りますが、お許しください!」



お金と身分証明と手紙、ナイフを貰った。


これで此処とはお別れだ...もう来ることは無いだろう。






冒険者ギルドに来た。



「王都のギルドへようこそ! 本日はどの様な依頼ですか?」


「すみません、登録をお願いします」


「あっ登録ですね、解りました」



僕は貰った身分証と手紙を渡した。



「あのぉ...事情は分かりましたし、登録も終わりました! ですがこれでは真面な依頼は受けれませんよ?」


解り切っている、僕の能力は恐らくこの世界では農民とか町民の普通...いや、農家の人は案外力がある。


一般人...その中でもかなり弱い方になるだろうな。



「何となくは解ります...能力の低さですね」



「はい、貴方の能力は子供以下です」


そうか、スキルやジョブが無い分...更に弱いそう言う事だ。



「それで、僕に出来る仕事はありますか?」


「多分、貴方はゴブリンにも勝てない...出来る仕事は、薬草の採取とか街のドブ掃除しかありません」



今から出来ると言うので、ドブ掃除の依頼を受けてみた。



かなりきつくて臭い仕事だったのに...貰えたお金は銅貨4枚。


「参考までに教えて下さい! 銅貨4枚ってどの位の価値がありますか?」


「そうですね...エール一杯か串焼き1本位です」



えーと、ビールが大体居酒屋で300円~800円、縁日で売っていた大きな串焼きが500円~1000円。


半日働いて1000円未満...不味いなこれ...


「有難うございました」



何か考えないと直ぐにスラム行きになりそうだ。



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