第21話

「たく、毎回毎回なんなんだあいつは」


付き纏われに呆れ、はぁぁぁとため息を吐きながらカキカキとワークに向かって殴り書きをしていた。


「えぇーえぇ〜羨ましいことですねぇ。実にいいご身分だ」


「ほんとにそうだよなぁ、、、、ってうわっ?!」


突然喉太い声がしたので、まるで目の前に霊がいたかのように俺はその声に驚いてしまった。

てか誰だよこいつおれ、しらねーよ。てか体デカ。


「あ、あなたは……………」


「ふっ」


え???


目の前の、身長の高くて、、いわばアメフト部と言えばいいのか?そんなゴリゴリなやつが急に笑い始めた。


「ふっふっふははははは!」


「あ、あの。」


どうやら筋肉の塊とのコミュニケーションはできないようだ。塊さんは、ずっと笑っている。

お前、その体型でその性格は似合わないって!


「よくぞ聞いてくれた!憎き悪党よ!」


「悪党?」


どゆこと?


「私の名前は、横田だ。貴様には下の名前を教えるまでもない。」


「は、はぁ」


なんだこいつ。言ってる意味がさっぱりこれっぽちも分からない!

一体何を言ってるんだ?


「僕は、ふじm」


「藤本蒼だろ?それくらい知っているとも」


てか、何のようなんだ?俺はこんな態度がでかい友達持った覚えなんてないぞ。

(千里、ちさと、チサト)あいつは友達じゃない。


「あの何か僕に用でも………」


陽キャかどうか分からないが、怖い。


「お前は何も知らないのか?そんな人類誰もが羨むような栄誉を持ちながら!」


「えっと、何のことでしょうか?」


いちいち胸筋を動かしてくるの、なんかうざい。


「あぁ……許せませんねぇ、千里様からよく構わられるという栄誉持ちながら。あなたは大罪を犯しています!」


頭を抱えて、なんか動きが気持ち悪い。

ていうか、千里様?、、千里のことか?


体がでかい横田と、その前にいる座っている蒼。

俯瞰視点だとだいぶおもしろい絵面になっている。


「千里様って青山千里のことでしょうか?」


「そうっ!」


「ヒッ」


横田が急に声をあげたからびっくりしてしまった。

本当に、一回一回の動作がぱねぇ。


「我ら、千里様のファンクラブ!そう!我らの女神!千里様のことだ!」


「ファンクラブだと?」


「そうだ!いと尊き千里様のファンクラブである!

私たちを導くお方だ!」


千里も、変なやつに目を向けられて可哀想に。

いや、こいつらに構って俺から引いてくれればそれはそれでありか!?


よしっ、俺こいつらの味方することに決めたぜ!


「ふっ、そうか」


「何を笑っている!」


だから、落ち着いてくれ俺が怖いから。


「いいのか?俺のことを除け者にして。俺を使えないかと思わないのか?」


「な、なに?貴様……なにを」


「俺がお前たちの助けをしようと言ったらどうする?」


よしっ、これでいい!


「いや、それはとても俺たちに価値があるが貴様にはメリットがない!千里様からの御恩を他人に譲渡するなどぉぉぉ!」


だから、その御恩が俺にとっては御免なんだよ。

横田はこのまま崩れていった。


「しょうがなく、だ。ではここで俺から青山千里に近づかないと誓おう。しかし俺からだ。千里から近づいてきた時はすぐに流そうと誓おう」


あたかも前までイチャイチャしてたと認めるような言葉だが、ここを回避できるのなら全く構わない。


「やはり、青山千里様のご友人もなんとお優しきことか!。わたくし、あなたを見直しました。ありがたき幸せ!」


俺は、千里ファンクラブと契約を交わした(恍惚)
























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