第10話 彼女のためにできること

 彼女が転校してから1ヶ月がたった。すぐにでも会いに行きたかったが、どこにいるかも分からない。それに今あっても以前と何も変わっていない。彼女はきっと僕のために転校していったが、それでも僕は彼女が好きで彼女以外考えられなかった。


 僕は彼女のおかげで前より好きになれた小説を書いている。僕が有名になり、本を出せば彼女の目に届くかもしれない。その時ふと放課後の出来事を思い出した。

『これすごく設定がよくできていて面白かった!』

『でもここは展開がいきなりすぎて理解しずらかった』  

 小説を読んで楽しそうに感想を伝えてくれる姿が見たい。たまに厳しいことを指摘してくる姿がみたい。そんなことを思いながら僕は小説を書き続けた。


 それから1年後、高校2年生になり僕の書いた小説『僕が恋したAI』は新人賞を受賞した。この小説の内容はAIが感情を持ち、1人の少年と恋をするが周囲から反対され引き離される。しかし、最終的にはAIの気持ちが尊重されてハッピーエンドの話しになっている。この小説を読んだ読者からは同意意見が多く上がった。

『現実でも感情を持つAIは存在し、気持ちを尊重すべきだ』

『お互いが好きならAIとの結婚も認めてほしい』

 このように様々な意見が上がった。正直ここまで反響が大きくなるとは思ってもいなかった。彼女は僕の書いた小説を見てくれているだろうか。見たのならどんな感想を持ってくれるだろうか。

 また君からの感想がききたいな…

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