第7話 師匠の依頼

 如月条規は、回顧堂での買い物を終え、夏見と共に、アメ横の通りにいた。

条規は、夏見を待たせ、〝師匠 大島〟へ電話をかけた。

「バカモン!連絡くらい、いれろ!」電話の相手の大島師匠に開口一番怒られた。

条規と、大島は、条規が25歳の頃、上総病院に共に入院していた時、小夜がいなくなって間もない頃からの付き合いであった。

 条規は、「すみません!ちょっと入院してたもので‥」と大まかに、ここ一か月の出来事を伝えた。

大島は、「わしは、肩が上がらなくなってしまってな!代役をたのみたかったのだ、20歳の若者なんじゃが、酷い状態でな!どう見ても〝妖魔〟の仕業じゃ、行ってきてくれんか?わしも行く‥」と伝えた。

かなり、切羽詰まっている様子であった。

 条規は、明日、大島師匠を迎にいき、一緒に除霊に向かう約束をした。

大島に、一応〝伊吹〟も用意しておくように、指示された。

条規は、病み上がりにそんな厄介な件がくるとは、

一、ニ件軽いのでリハビリしたいところであった。

条規と夏見は、上野で夏見の着替えを数点買って帰路についた。


二人は、エアコンの無いミニクーパーで、千葉にある条規の自宅まで戻ってきた。

条規は、家に着くと、真っ先に除霊用品の整理に取り掛かった。一階の一部屋が条規の〝仕事部屋〟になっていた。

夏見は、「叔父様‥シャワーをお借りしてもよろしいですか?汗が酷くて‥」そう頼んだ。

「構わないよ、ただし、左手のお札は濡らすなよ」と忠告した。

条規がある程度整理を終えリビングにいくと、

ソファーに素っ裸の夏見がすわっていた!

「夏見ちゃん!服きて、服!」と条規は目をそらした。

夏見は「だって叔父様は、〝男〟でないから、平気です」と言い返したが条規は、

「リビングは服着るルール!裸でいたいなら、自分の部屋にして!」と指示した。

「わかりました叔父様‥」と足を広げ立ちあがろうとした。

条規は「足ひろげない!」と焦ってしまった。

条規は、いくら自分が〝不能者〟とは言え、先がおもいやられてきた。

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