第7話 診断結果は残酷です!?



 「うーん。本当に男の子だったのかい?」


 「そうだよ。写真を見せたことあったろ」


 「「「ちょっと、あなた(お父さん)(パパ)。薫の写真を他人に見せたの!?」」」


 「いや、その、、、酒に酔っててつい」


 「あ・な・た〜。後でお話があります」ゴゴゴ


 「あー、奥さん。何か薫くんに変わったことはありませんでしたか?」


 「いえ、ありません。いつもどおり可愛くて、優しい娘でした。」


 「他のご家族はどうですか?何か変わったことなどは?」


 「「いいえ、ありません」」


 「うーん、そうですか。検査の結果、教えて頂いた身長や体重は少しですが減少し、血液型や視力などは変わりませんでした。ただ身体は完全に女性ですね。僕も医者やってかなり経ちますが、初めて聞きましたよ。学会なんかでも聞いたことないな〜」


 「あの、少しいいですか?」


 「はい、どうしましたか?薫くん」


 「その、僕は男に戻れるんでしょうか?」


 「「「ダメよ、薫(お姉さま)。このままでいいわ!」」」


 「な、なんでよ。僕は男に戻りたいのに、、、うう。」


 「まぁまぁ。とにかく、性別が変わるなんて聞いたことがありません。おそらく、世界初の症例になるでしょう。特に身体の不調がないとのことなので、日常生活は大丈夫でしょう。しかし、今は様子を見るしかありませんね」


 「そ、そんな」


 「まぁ、あまり悲観的にならずに。また、男に戻る可能性もありますし」


 「そ、そうですよね。戻りますよね」


 「ダメよ。薫はこのままでいいわ」


 「「お母さん(ママ)の言う通りだわ」」


 「とにかく、薫くんには悪いけど、今できるのは経過観察しかありません。見たこともないのに、処置なんてできませんから。1週間後に予約を入れておきますから、しばらく様子を見てください。何かあれば、すぐに救急車を呼んで、この病院と僕の名前を出して下さい。すぐに対応します。あとは、、、ご両親は少しお話がありますので、残ってください。それでは、お大事に」


そう捲し立てられ、僕の診察は終わった。


 「ううう。なんでこんなことに」


 「薫。元気を出して。あなたは変わらず可愛いわ」


 「そうだよ、お姉さま。いつも通り、可愛くて、いい匂いがして、柔らかいお姉さまです」


 「それ、慰めになってないよ。っていうか、2人とも、なんでそんなに落ち着いているの?」


 「「いや、だっていつもと変わらないし」」


 「そんなことないよ!うぅ、全然違うのに、、、」


 「とにかく、待合室に行きましょう」


 「「そうだね」」



 一方、その頃の診察室


 「先程も申し上げましたが、今は経過観察しかありません。こんな症例は初めてですからね。それでですね。お二人にはお願いがあります」


 「何でしょうか」


 「何かな」


 「まず、薫くんには混乱が見られます。無理もありません。突然、性別が変わったのですから。なので、メンタルケアをお願いします。あと、お母様には女性的な面を。特に、思春期の女性ですから、生理や他にも大変でしょう。そちらのバックアップをお願いします」


 「「分かりました」」


 「先程も言いましたが、何かあれば、迷わず救急車を呼んでください。その時にこの病院と僕の名前を出してください。そうすれば、僕が対応できます。それでは、お大事に」



こうして、女性になったことが病理的に認定されてしまった薫。さてさて、どうなってしまうのか?





救急車ってお金がかかるんですよね。一度、家族が搬送された時に後から請求されてました。僕はかなり初期にコロナに感染したんですけど、学生でお金がないので、救急車を呼びませんでした。まぁ、後で入院して、その病院の先生に叱られましたけどね。皆さんも必要なら、救急車呼びましょう。

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