第17話 新たな仲間

 そこは何かの部屋だった。


 休憩室のようで、ほとんど何もないが鏡だけあった。


 目の前には扉があるがまだ出るつもりはない。


 そして鏡を見ると脳内に謎の声が聞こえる。


『ステータスを表示させますか?』


 これはまさかのあれなのか?


 俺はステータスを表示させた。


 すると半透明状のウィンドウが俺の目の前に表示された。



 比基加得天器 年齢25歳 男


 体力100

 魔力200


 攻撃60

 耐久70

 敏捷30

 命中40

 魅力75

 運命300


 ステポイント100 SP100

 スキル 字遊 文遊 言遊


 職業 遊遊人 ラノベ作家の卵 


 称号 堕落の子兄


 と言うのが出た。


 ステータスはまあ普通だな。でもそれでもあまり高くない項目もあるな。

 でもかなり高いのが運命だ。凄い数値だ。特別感があるほど高い。


 俺はステ振りをすることにした。


 こうなったら運命極振りだな。


 俺は運命に100振った。


 これで運命の数値は400になった。


 そしてSPもこれでスキルを取ることにした。

 ちょうどSP100で取れるスキルがあった。


 遊考 説明……遊びを考えることが得意になる。


 まあ面白そうなので。


 だが可笑しい。遊遊人はなんとなくわかる。ラノベ作家の卵もわかる。俺は最近からというか1年前からラノベを書いている。それよりもこれだ堕落の子兄ってなんだよ……失礼な。


 堕落してたのは1年前なのに……1年じゃあ消えないのか……子兄って子供おじさんの若いバージョンのことなんかな……ひどすぎるわ流石に。


 さてと……運命極振りでダンジョンのモンスターに勝てるのかね。


 俺は何も持たないのはあれなので……ただのメモ帳とただのボールペンとただのチョコレートとただの漫画雑誌とただのトイレットペーパーとミザリーハンカチをリュックに入れて出発することにした。あとついでにただの段ボールも入れた何とか入ったぜ。


 そして進みまくるとついに行き止まりで、スライムらしきちっちゃい生き物がいた。


 俺はそいつを踏みつけた。


 するとすぐに弾け飛んだ。


 倒せたようだ。


 俺はステータスを戻って鏡で見ると、ステポイントが1だけ上昇していた。SPには変動なしでステポイントだけだ変動は。


 俺はもう一度扉をくぐって最奥まで来たらスライムがまたいる。


 もう一回踏んづけて倒す。


 戻る。ステポイントが1だけ増えてる。


 もう一度踏む。


 戻る。踏む。戻る。踏む。戻る。踏む戻る踏む戻る踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏むふむふむふむふむふむふむふむふむふむふむふふふふふむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむむ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



 踏みまくった。そしてその試行回数まさかの1000回。


 ステポイントが1000も増えた。


 俺はそれを運命に極振りした。


 俺の現在のステータスがこれである。


 


 比基加得天器 年齢25歳 男


 体力100

 魔力200


 攻撃60

 耐久70

 敏捷30

 命中40

 魅力75

 運命1400


 ステポイント0 SP0

 スキル 字遊 文遊 言遊 遊考


 職業 遊遊人 ラノベ作家の卵 


 称号 堕落の子兄 スライムを千匹踏んづけた卑怯者



 ちょっとまて~~~い!!!


 卑怯者……卑怯者ってないだろそんなのは……倒す手段それしかなかったんだからな仕方ないだろ。


 俺は少しだけどんよりするが、気を取り直してスライムを踏んづけまくったら、やっと千二百ぐらいでレベルアップした。


 そしてステータスが大幅に上昇した。



 Level.0→1

 比基加得天器 年齢25歳 男


 体力100→200

 魔力200→300


 攻撃60→100

 耐久70→150

 敏捷30→180

 命中40→80

 魅力75→125

 運命1400→2000


 ステポイント100 SP100

 スキル 字遊 文遊 言遊 遊考


 職業 遊遊人 ラノベ作家の卵 堕落の子兄


 称号 スライムを千匹踏んづけた卑怯者


 運命の数値ヤバない……? 何だこの高さは。


 俺はステをさらに運命に極振りして2100にしてSPを字游と文遊と言遊に20ずつ遊考に40振った。


 そして俺はダンジョンを出た。


 ガチャは今日はもう引かないと思う。がすでに0時を回っているので、たぶん今日の夜は引くだろうな。


 俺は眠りについたのであった。

 そして起きてさっき踏んづけたスライムを仲間にした。


「いたかっただろ? 楓。 楓の変身能力には期待してるからな……」


「ぷるぷるふよふよきゅきゅきゅーん!!!」


 スライムの楓が仲間になった。



 スライムの楓をさっそくかなえさんもといトウカさんに見せに行く。


 正体はばらさないぞ。でもトウカさんいるかな? かなえさんだと問題ありか。


「こんにちは~夜分すいません」


「あれっテンキ君? その子は……可愛いね…………そうかスライムを仲間にしたのか少年」


 どうもトウカさんに一瞬で人格が入れ替わったようだ。


 それだけ普通のことなのかもしれない。


 家の場所はトウカさんに教えてもらっていた。


 普通に良い家だ。金持ち?


 トウカさんはスライムの楓を痛く感動していた。



「こういう従魔に憧れる。君は良いパートナーを見つけたようだな」


「トウカさんもたまにはかなえさんを出してくださいよ」


「いいぞ。変わろう」


 そうすると黒髪のかなえさんに戻る。目つきも温和な普通のかなえさんに戻る。


「あれ、テンキ君もしかしてトウカが?」


「あれ知ってるんですか?」


「記憶は共有しているから、最近私も気づけるようになったの、テンキ君が危ない橋を渡っていることも。この前の幻魔獣も怖かったよね」


 幻魔獣と呼ばれる超絶的に強かったモンスターのことだ。


 かなえさんを巻き込むことになったが、それでもなんとか倒せた。


 世界は雄弁に物を語らない。


 本気の戦いがそこにある。


 最強武器想像の創造で天星剣を作成できる僕は最強かもしれないが。


 ただあの武器【天星剣】はかなりの体力を消耗する。


 何度も出していられる度量はない。


 あの時だけ出せたのだ。


 今は出せないかもしれない。


 それより新スキルのほうを試したほうがいいかもしれない。


 トウカさんとかなえさんと触れ合った日、セイナちゃんからメールが来た。


〔テンキ君。いつも見てるよ。今日は楽しいショッピングで天器君みたいな太陽のお日様のハンカチを買っちゃったの。だから一緒におててを触らせてあなたの涙が欲しいのだから泣いて。泣いて泣いて、泣いて。泣いてくれないとこっちはくすぐりにきちゃうよ……ふっふっふ。今度美味しいケーキ屋を見つけたからテイクアウトでテンキ君の家で食べよう、サンキュー。今度会おう〕


 なんか不安になる感想が出そう。


 でもセイナちゃんも隅に置けないから油断できない。

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