第5話「店長のかなえさん」

 なおこの牛丼屋の名前はぎゅうぎゅう太郎だ。


 ローカルの関西で展開する牛丼屋で、なかなかレベルが高い。


 国産の牛肉を使うことにこだわりがあるようで牛丼の値段もそこそこするのだが。


 古き良き牛丼屋である。


 ただしこの店舗はという感じだが。


 チェーンって言っても全部で3店舗しかないからチェーンと言えるのかという疑問があるが……


 実際お客さんの出入りは普通より少ないと確かに感じる。


 まあまかないの牛丼が凄く美味しいから良しとするか。


 そして昼休憩を貰いそういえばとハイポーションを持ってきていたのである。


 試しに実体化して置いておいた。


 なぜに俺はこの時に実体化したのか不思議に思う。


 普通置いとくにしてもカードの状態だろうと。


 いちおう見た目はハイポーションというよりビンに入っているエナドリみたいな見た目だったからカモフラージュにいいと思ったのかもういまさら神のみぞ知るだ。


 そしてトイレに行っている間に事件は起きた。


 エナドリ……ハイポーションの瓶が空になっとるでござるのでござる。


 またもやどういうことだってなんだよ本当に……


 そして店長さんが来た。。


 普段通りだが見た目年齢30代が25歳ぐらいに感じる。


 そうであるもともと店長さんは元の顔は良い。


 若いころの写真を見せてもらったがかなりのおっとり系の美人である。


 なお店長は35歳で独身だ。


 もう一度言う独身だ。


「どうしたの天器(てんき)君? 私の顔になにかついているの? どうしたのかな?」


「いえ……別にそんな……」


 俺の本日の失態がエナドリを置き忘れたことではなく、可愛すぎて店長のお姿があまりにも美人だということに気づかなかったことだ。


 本当に綺麗なのはわかっていたが、磨かれるように普段通りの店長は可愛すぎる。


 天使がいるぞ、この世に降臨された天使だ。


 しかし異世界のハイポーションヤバすぎるだろ。


 いくらなんでもチートすぎるだろこれは。


 家で自室に籠り、店長の天使の笑顔を思い出して、店長の天使のようなお胸をバインバインの胸を凝視していたことを今更ながら恥ずかしく思い。


 でも止められない。もっとしたい。

 

 店長が色っぽすぎるからいけないんだ!!!


 俺は悪くない!!!


 魅力的で癒し系の店長のことを思いつつ静かに悶々として寝てしまった。


 夢の中では店長が俺の手料理を食べて美味しいから今度はあなたのために手料理してあげると言っていた。


「ふっふふ、天器君は甘えん坊さんなんだね? じゃあこっちに来て遊ぼ」


「はいかなえさん」


「じゃあ美味しいショートケーキを食べさせてあげるね」


「はい、アーン……美味しい? 天器君は実はお天気屋さんなのかな?」


「天気だから?」


「うんうーん、違うよ違う、太陽みたいに一緒にいるとポカポカしているところとかかな?」


 なんてところで夢はまた夢の中で一緒だったのに……夢って残酷!!


 ガチャを引く時間です。


 とりあえず5千円×2枚入れて引いてみた。するとダイヤルのところに数字が表示されて1か2と選べた。


 回数のことだな。


 俺はとりあえず2と選んだ。


 そしておもむろにガチャる。


 RとSRが出た。


『装飾カード 魅力のチョーカー』『防具カード 冷硬のヘルメット』


 魅力のチョーカーは魅力を100上げる。


 ヘルメットは冷気を出して体を冷やして快適にする夏用のヘルメットで耐久を120上げるうえに氷系のスキルを使用できるらしい。


『アイスガード』というスキルを使用してみた。


 すると耐久がさらに2倍になって氷属性のガードがかかったと脳内に不思議な音声が流れた。


 なるほど強そう。


 しかもカード状態でも使えるようなので職場ではカードの状態でポケットに忍ばせておこう。


 なんか疲れたな。まあ俺が好きなガチャをたっぷり廻せるからいいか。


 スクラッチ買えばまた当たりそうなんだよな。


 でもそんなに頻繁に当たったら怪しまれそうだし……


 どうすっかな~~~何しようかな~~~


 俺は資金を稼ぐ方法を思案していた。


 俺はあの方法で資金を稼ぐ方法を思いついたので明日やってみることにした。


 明日は休みだからなんとかなるだろ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る